「ブレーキの質」が問われるアメリカの第2四半期
自分は知らなかったのだが、FRB副議長に指名されているフィッシャーの見解は以下との事。13日に発言しているらしい。
FRBはすでに超緩和的な金融政策の解除を開始しているとの認識を示した。「出口戦略は始まりつつあるか、すでに始まっていると考えている」とし、「FRBは毎月の資産買い入れペースを縮小しており、縮小を継続する条件はすでに示されている」と述べた。(記事)
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これは以前(2月10日記事)に触れていた テーパリングとリバースレポの事を指していると思われるのだが、この間言ったように、リバースレポレートは段階的に引き上げられていく だろう、それが出口への手掛かりであり、現時点ではそのような見通しに、期待が膨らんでいる。
ただ、超過準備の吸収がスムーズにいったとしても、マネーサプライが市場に(期待通りに)浸透せず、インフレ率が基準値に上がってこないのであれば、事を成しかけて終始を全うできなかった、という見方もできる。現時点では、ただ単にFEDの都合によって銀行システムにおける過剰流動性を吸収しているだけなので、この状況を素直に肯定する事は難しい。フィッシャーは(自分もだが)出口戦略は、おそらく始まっている、と言明しており、それはそれで正しいのだが、このような状況の中でそのまま利上げに向かってしまうと「悪いブレーキ」と見做される可能性は残される。正確なところでは「出口への準備」という事になるだろう。
逆に今後、需要に引っ張られ、マネーサプライが急速に拡大した場合にはFRBの出口戦略は正当化、「退却」ではなく「達成」として認識される事になるだろう。米経済は第2四半期に岐路を迎える事になる。
米マクロを観るに、12月からは「良いブレーキ」を見通せる流れにあったが、(なので今年は1月時点でドル高円安基調が継続する可能性、を示唆していた)大規模寒波によって水を差された格好になった。基本的に、現行の米国の経済(統計)を左右してるのは①金利動向と②天候状況となっている。それ故自分は、金利動向やマネーサプライの観察に、若干執着している姿勢を取っている。
拙著155ページに、その事につきサラリと触れているこの2大要素(天候不順・金利動向)は、現マクロを観るうえで欠かせない要素となっている。
先日商務省から発表された2月住宅着工件数は市場予想を下回った。その原因は、当要素(天候)に起因している事は否めず、米国にハリケーンやら寒波やらが襲ってきたときには、ほぼ例外なく、そののち発表される雇用統計、および住宅指標に悪い影響が顕著に表れる傾向にある。2月、寒波が直撃した北東部は、37.5%減少(上図)、この事が全米平均の足を大きく引っ張る事になった。
寒波が過ぎ去った今、今後は長期金利動向がマクロを占う上で大きなカギを握る事になるだろう、影響を受けるのは住宅セクターと自動車セクター。FRBの綱渡りは続く事になる。
