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混迷のオリンパスショック

私的な事になりますが、先日、オリンパス問題を取り上げた(つもり)だったが、ブログメンテナンスが実施されて更新する事ができなかった。本日、その記事をそのままアップするつもりだったが、時間が経つと必死で調べた事が、すでに出回っている。(NYTの記事等)

よって無駄記事となってしまった訳だが、それだけ事態は紛糾してきたようだ。


ダンマリを決め込んでいた日本のTVメディアも、FBIが調査に乗り出したとの事で、ようやく重い腰を上げてきた。 ついには国会でも取り上げる可能性 が出てきたとの事。


この「オリンパスショック」を知らない人の為に、概要をお伝えすれば以下のようなものになる。報じられている内容をザザっとまとめたものだが、既に知っている方はスル-して頂ければ、と思います。



不透明かつ巨額顧問料


・オリンパスは08年2月、イギリス医療機器メーカー「ジャイラス」を20億ドルで買収。その際支払ったアドバイザリー報酬が6.87億ドルという事で、ここが今回大きな問題になっている。なぜなら通常の報酬は買収額の1%程度であり、この30%超という巨額の金額は異常、トムソンロイターによれば「M&A手数料としては過去最高額」という事だ。


さらには、その支払内訳は現金・オプションが2億4398万ドルで、その投資アドバイザーに発行した優先株の買戻し費用が4億4302万ドル。08年9月に1億7698万ドル発行し、1年半で3.5倍上昇したところで買い戻したらしい。通常、アドバイザーに優先株を発行する事はあり得ず、結果的に6.87億ドルという巨額支払になっている。


その支払先は、アクシーズ・アメリカ(NYに登記)とアグザム・インベストメント(ケイマン諸島登記)という2社。ともに、支払を受け取ったのちに解散しており、10月20日以前にはオーナーも不明とされていた。特に、アグザムの方は、オリンパスからの支払い受取後3ヶ月後、10年7月に解散した模様。


・これら一連の出来事を独自調査(依頼調査)したのは、既に時の人となったマイケル・ウッドフォード前社長。これらの事を調べ上げたのち、今月11日(10月11日)に、菊川会長および森久志副社長に引責辞任を促す書簡を送ったらしい。不透明かつ法外な買収により、会社と株主に損害を与えたとする理由からだ。


そして14日に、15人中13人が出席した取締役会で、本人を除いた12人全員一致でウッドフォード氏の解任が決定。FT紙(JBpress )は、このオリンパス役員達を「プードル」と形容している。



売買契約書を作成したNYの法律事務所


当初、オリンパスの年間利益を吹き飛ばすような「仰天の顧問料」が、どこの誰に支払われたのか、顧問会社が解散したとの事でハッキリしなかった訳だが、その後23日付のNYT では、2人の日本人バンカーの名前が挙がった。1人はロイター等で報じられている「ハジメ・ジム・サガワ」、もう1人の名は「アキオ・ナカガワ」。


Hajime Sagawa and Akio Nakagawa — are at the center of a growing firestorm over a mysterious $687 million payout by Olympus

・The F.B.I is now investigating the $687 million payment, according to two people briefed on the case.

・The two Japanese bankers, according to interviews and regulatory records, appear to have first become colleagues in 1988 at Drexel Burnham Lambert, the investment house where Michael R. Milken helped pioneer the market for high-yield bonds.


FBIが調査に乗り出しているが、オリンパス側は米当局からコンタクトがあったかどうかも含め、詳細についてはノーコメントを通している。 名前が浮上しているハジメ・サガワとアキオ・ナカガワの2人は、マイケルミルケン(ジャンク債の帝王)が所属していた事で有名なドレクセル・バーナル社で、1988年に知り合った(同僚となった)、となっている。


サガワ氏はこの関連会社2社のうち、アクシーズで社長兼CEOを務めており、そのナカガワ氏とともに会社を運営していたらしい。更には、サガワ氏は支払いを受け取ったとされるもう1社(アグザム)でもディレクターを務めていた模様。

このアクシーズはNYを本拠としており、オリンパスも米国内で広範囲な事業展開をしている事から、FBIが調査に乗り出した、という事になっている。上記、渦中の人物であるサガワ氏は、FBIが24日に面会を果たしたらしいが詳細は報じられていない。


そして25日付のWSJ によれば、これまたNYを本拠とする法律事務所(ワイル・ゴッチェル)と投資銀行(ペレラ・ワインバーグ)が、この取引に関連し、報酬を受けた可能性があるとの事。特に前者のワイン・ゴッチェルは、M&Aと破産法を専門とする高名な法律事務所らしい。


WSJが報じた情報は全て、(ウッドフォード氏が独自に依頼した)PwCレポートによるものだが、そのレポートによれば、オリンパス、ジャイラス、アクシーズが08年9月に締結した売買契約書は、どうやらこのワイル・ゴッチェルが作成したという事だ。 WSJによれば、10月25日現在、このワイル・ゴッチェルに「いくら支払われたかは不明」となっている。

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この10日間、様々な報道が流れている。JBpressやロイター等は連日この話題で持ちきりだし、今回の事件の発端となった「ザ・ファクタ 」にはアクセスが殺到しているようだ。そしてBLOGOS もトレンドテーマとして経緯をまとめている。


どの記事も、日本企業のガバナンスが問題視され海外資金が引き上げる可能性など、論調はほぼ一致している。日本の技術がいくら高くても、このような密室での少数判断によって、分からないままに利益が吹き飛ばされるといった、「大いなる懸念」だ。 日本の当局がどのような厳しい態度で臨めるかが今後のポイント、といった見解が広がっている。