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米経済を締め付ける「プットバック問題」

以前より言及している大手銀に対する住宅ローン&MBS買い戻し、いわゆる「プットバック問題」が段階的に顕在化してきた。 


この問題は、目先の株価もさる事ながら、今後の市場に繋がる重要事項の1つだと言える訳ですが、先日にはついにAIGが、バンカメに対して「100億ドル超損失」に基づき提訴した模様。 以下記事。


AIGがバンカメ提訴「100億ドル超損失」

2005~07年にバンカメから280億ドル相当の住宅ローン担保証券(RMBS)を購入したことにより、100億ドルを超える損失を被ったと主張。 バンカメから誤った情報を提供されなければ問題とするRMBSの購入は無く、損失も出さずに済んだとの見方を示した。(記事)


以前より懸念していたこのプットバック問題ですが、段階的に問題が拡大しつつある。以下、恐縮ながら過去エントリー「濁りの金融セクター 」より。(今後の株価にとっても重要なので)


先日、バンカメがMBS投資家に85億ドルの賠償額を支払う事になった、という報道がされていましたが、GSE他、民間投資家、さらにはモノラインからも住宅ローンの買い戻し請求をされている。将来の請求に備え、(Q2に)140億ドルの引当計上したというバンカメですが、カントリーワイド(住宅ローン専門会社)から引き継いだ住宅担保ローンの負担がずっと圧し掛かっている。


バンカメが買い戻しに応じた事は、他大手銀にも(当然ながら)マイナスの影響が連鎖する。14日が決算発表のJPモルガンにしても、ワシントンミーチュアルとベアスターンズを買収した際、多額の住宅ローンを引き継いでいる。 この買い戻し請求絡みの損失は、バンカメの和解によって今後も他大手銀に拡大していく事は必至で、「大きな足枷」であり続ける事に間違いは無い。(過去エントリー)

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米経済を締め付ける「モーゲージ・プットバック」


今回のAIGの提訴は、上記、バンカメのMBS投資家に対する支払がトリガーとなっており、この問題は一層尾を引きずる事になるだろう。 たとえば先日のダウの下落はマイナス5.55%だったが、銀行セクター(フィラデルフィアKBW)に目を向けるとマイナス10.70%の暴落を示している。


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                     On Aug 8: 36.99 Down 4.43 (10.70%)


それをリードしたのは、そのAIGからの提訴を受けたバンカメ。 バンカメ株価は8日、銀行セクター暴落をリードするマイナス20.32%を記録。 さらに、CDSの高騰ぶりも米企業の中では際立っている。
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以前にも言及したように、大手銀は最悪のシナリオをPLに計上してはいない。


ちなみにAIGは、今回の法的措置について「今回が初めてではないし、今回で終わりでもない」と注目すべきコメントを残している。暗い影が掛かっている米経済に、モーゲージ・プットバックの締め付けは一層きついものになるはずだ。


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追記: ライブドアBLOGOSの「歴史的格下げは妥当か 」が更新されていた。(自分の箇所)

ライブドアの方々に感謝。