米家計デレバレッジの加速と、それを包み込む「世界的バッファー」
ClearOnMoney によると、米家計の負債率は115%まで落ちてきている、となっていた。
Household debt as a percentage of disposable income peaked at 130% in Q3 of 2007, and has now dropped to 115%.
この負債率(可処分所得比)が落ちてこない事には、マクロ的需要は底上げしてこない、と連呼する自分 ですが、この数値がもうひと下がりしない事には、(疑わしい)現在のインフレ率にしても信憑性が増してこない。 今現在の米インフレ率は「偏った需要」に起因しており、それを考えると、スキューフレーション(skewflation)と言い換える事もできる。
取り敢えずは110%が一つの目安になるわけですが、ただこれは言わずもがな、連邦政府が個人の負債を肩代わりしているだけの話であって、個人の借金が減るという事は、連邦政府の借金が膨らんでいる事を意味する。しかしながら、八方塞がりのアメリカ経済が回復するには今まで継続してきた「積極的なフィスカルポリシー」を止めてしまうわけにはいかない。
ちなみに上記事では、07年のQ3の130パーセントがピーク、となっていますが、正確には「137-8%」のピークから「115.1%」までの軟下、というのが実際のところになる。 ピークからの軟下は、当然ながらサブプライム危機から始まっている。07年7月10日、ムーディーズのRMBS一斉格下げとともに家計のデレバレッジはスタートした訳だ。
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2011:Q1: 115.1
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2010:Q1: 124.0
2009:Q4: 126.7
法廷債務限度額引き上げに、リカード・バローの定理 等を持ち出すなどして、何かとイチャモンを付け続ける米野党ですが、この中立命題定理は、肝心の財政支出の効果については触れていない。将来にツケを回すだけ、なんて言うのであれば、ここ最近まで行われてきた量的緩和政策などは一体何なのだろうか? 中銀の「肥満」はリカードの定理を打ち消しており、将来のツケ、ではなく中銀のイージーマネーで賄っているのが現実だと言える。
で、だからといって自分はQE3を薦めている訳では決して無い。閲覧者の方であれば、自分がQE3を「破滅の政策」と定義しているのはご存知だと思いますが、FRBが米債務を支えなかったとしても、米銀の自由準備は今現在、(FRBのお陰で)1.6兆ドルもの資金が積み上がっており、これはこれでトレジャリー(債務)の受け皿になる事が可能だ。
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2011-05: 1572.358
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何しろ、米銀行群は日本同様、実際にトレジャリーを買い続けているのが現実だといえる。
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2011-01: 1637.5
さらに言うのであれば、米銀のみならず、日中とて「アメリカのツケ」をサポートしている。今後も、両国各々の事情からアメリカの「尻拭い」をしていく事は、ほぼ間違いないような状態だ。
要するに、債務上限額が引き上げられたところで、「将来のツケ」なんて事にはなりやしない。何しろ人口増加が見通されているアメリカは、少子高齢化の日本とは決定的に違う。国内の預金は米債務を支え、海外は海外で米債務を支える事になる。 アメリカの債務問題は、海外投資家が支えている事に加え、少子高齢化の波が押し寄せる日本とはまたちょっと事情が異なっている。 個人の負債率が更なる縮小を見せるまでは、アメリカは積極的な財政出動を止めてはならない、という話です。
※グレた松本復興相 からの連投です

