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QEとCRB

いつもの、株価と国債買入プログラムのチャートがこれ。


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で、先日EUR/USDの、QE1終了後における値動きチャートを掲載したところ、「コモディティはどうなっているの?」というメッセージを頂きました。なので大ざっぱではありますが、CRBインデックスと量的緩和チャート

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ETFを通じて投資している方も多いようですが、値動きとしては株価と同じトレンドを形成している。ただ、QE1の時は終了半月前に下落、今回(QE2)は2ヵ月前から急落。(QE2最終日は6月9日


ちなみに自分は09年3月18日アナウンス-10月29日終了の「米国債3000億ドル買入」をQE1と呼んでいます。世間一般的には08年からの緊急プログラム含めてQE1というのが多勢なようですが、自分の場合は少数派になる。

で、QE2についてもMBSからの国債への再投資(青枠)を含めてQE2と呼んでいる方が多数いますが、これは完全に間違い。国債投資という事でチャートの通り、株価やコモディティ高には繋がりましたが、これはFRBがポートフォリオの中身を変えただけであり、量的緩和とは言えない。よって、正確には11月からの6000億ドル買入が「QE2」、という事になる。(この辺りもたまに聞かれていたので)



各コモディティ


NY原油は変わらず1バレル100ドルを挟んでの展開で、ゴールドも「相変わらず」ドル軟化と共に上げている。(1オンス1540ドルをプッシュ)

シルバーも暴落ののち、やはりゴールドに付いて行っている。金銀レシオは米29日終値で40.58ポイント。暴落時は42ポイント だった。ドルとのシーソー的反発でゴールドが強いものの、シルバーはそれに付いて行っている事になる。


穀物ではとうもろこしが強い。作付けシーズン(4-5月)に米中部で天候が荒れた 事から作付けが遅れている。5月22日時点(米農務省)で、とうもろこしの作付け進捗率は「79%」。これは主要18州の統計になる訳ですが、過去5年平均では「87%」。 結果、アベレージより8%の遅れ


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その中でも、インディアナ(49/76%)、ノースダコタ(49/77%)、オハイオ(11/80%)等は、過去と比べ相当な遅れをとっている。それらの理由からトウモロコシは底堅い展開のようだ。

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トウモロコシと共に、大豆も不作懸念がありましたが、大豆はトウモロコシと違って下落の一途を辿っている。

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通常、大豆はトウモロコシの後、5月から6月に掛けて作付けされる。

天候が荒れた 為に、トウモロコシから大豆の作付けに切り替える農家が増加すれば、大豆の作付け面積が拡大する事になる。その懸念から価格下落が続いている、といった報道があった。さらには米農務省によると、11-12年度の大豆生産量は、過去と比較しても高水準なレベルになるらしい。それらが大豆相場を押し下げているようだ。

更には、ラリーを続けてきた綿花もつまずいた。
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毎年3月末に、米農家の「作付け意向面積」が米農務省から発表される訳ですが、綿花の作付け面積は、昨シーズンと比べると4割弱も増加するという。それが綿花価格の足を引っ張っている模様。 ただし、作付意向面積はあくまで農家の意向であり、実際の結果は6月末に発表される事になる。


ちなみに、自分の好物でもあるオレンジジュースは強力なラリーを続けている。
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昨年12月から今年1月に掛けて、フロリダのオレンジ畑が記録的な寒波から受けた被害は甚大だった、という報道をチラホラ見掛けた。 そのフロリダ州最大の買い手であるトロピカーナが3月に値上げを発表してから、高騰を続けている事になる。 

ちょっと余談になりますが、自分が好きなのはミニッツメイド愛媛みかん(ビン入り)辺り。

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冒頭のように、コモディティ全般としては下落基調。 上昇してきた小麦も滑り台のような下落を見せている。 商品各々の生産事情もさる事ながら、QE終了という事で、リスクマネー回避という絶対的な背景がある。「ご参考」という事で。