「マクロ・プルーデンス」
ECBは国債買取アナウンスの後、「独立性」をくり返し強調している。
_________ECB、政府債購入で供給の流動性を完全吸収へ=総裁
国債買取という「禁じ手」に触れたくなかったECBは、量的緩和をかたくなに否定、市場に向けて相殺(不胎化)をアピール。
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ちょい古めの報道ですが、同額の供給と吸収は、市場に対する明らかなメッセージ。国債買取について、FRBやイングランド銀行とも事前に連絡を取り合ったというECBですが、相殺措置についても十分話し合ったのだろう。何より中銀は、流動性増加によるバブルリスクとも向き合わなくてはならないからだ。
ちなみに、ユーロ安誘導の国債買い取り、みたいなマヌケな記事もチラホラ見掛けたのですが、通貨安だけを目的として中銀がそんな事をするはずも無く、たとえその結果、ユーロ圏の輸出額が伸びたとしても、それは国債市場への緊張緩和措置の副産物であり、そうでなければ「同額で相殺」などするはずもない。(あたり前)
さらには、ドイツやフランスなどから通貨安は歓迎されている、といった報道も見掛ける一方で、ユーロ圏周縁国は貿易の大部分をユーロ圏内で行っているので、ユーロ安は一部企業には恩恵だが、ユーロ圏全体で見た場合には、ほとんど役に立たないといった声も聞かれる。
どういう効果を実際に発揮するのか、この辺は自分には分からないのですが、とりあえず国債市場の緊張緩和という目的だけは、今のところ果たしている。
>ドラーギ・イタリア中銀総裁は、危機から学んだ教訓は、インフレ目標だけでは不十分で、資産価格にも注目する必要があるということだと主張
金融危機を経験した事で、世界各国の中銀は、マクロ・プルーデンスの考え方が深く浸透しており、不胎化措置にみられるように、金融システムへの流動性供給に関してはナイーブになっている。
ご存じの方も多いとは思いますが、マクロプルーデンスとは一言でいうと、金融システム安定のために、包括的に金融システムを監視する事であり、それに対する「ミクロプルーデンス」は、個別の金融機関を監視する事、といったところになる。
マクロプルーデンスに関しては日銀の白川総裁が、金融政策に積極的に取り入れている考えであり、上述のように世界各国の中銀にも浸透している考え、という事になる。以下白川総裁の「マクロ・プルーデンスと中央銀行」 (日銀HP)から。
マクロ・プルーデンスを意識した取り組み
中央銀行は、金融政策運営において、マクロ・プルーデンスの視点を持つことが必要です。(中略) 金融システムの安定という面では、日本のバブル崩壊以降の金融危機、東アジアの金融危機、欧米諸国の信用バブルと今回のグローバル金融危機をはじめ、過去四半世紀の間に、バブルや金融危機の発生頻度は高まっています。しかも、皮肉なことに、バブルはいずれも、低インフレの下で発生しています。
バブル発生の原因は複雑ですが、高成長、低インフレ、低金利という良好な経済状態が続く中で、流動性はいつでも望むだけ調達できるという感覚が生まれ、これがバブル発生のひとつの大きな原因となりました。
過去のリセッションから、過剰流動性の下でバブルが発生している事を確認。マクロ的判断が足りなかった事を踏まえ、マクロ的判断の重要性を説いているのですが、アメリカではこれを踏まえ、FSOC(金融サービス監視委員会) が提案され、欧州にしてもマクロ運営の機関として、ESRB(欧州システミック・リスク理事会) の設立が予定されている。要するにマクロプルーデンスの視点は、年々活発化しているというわけだ。
今のところ、欧州の国債市場は沈静化しているのですが、露骨な財政マネタイズという事と、買取額がまだ小規模だという事を考えると、再び利回りが急騰してもおかしくは無い。ECBが話し合ったというFRBにしても、昨年7ヶ月間の買取政策は、利回り抑制に効果があったのかというと、そうとは言えない。

買取アナウンス時(3・18)に金利は急低下したものの、その後は上昇。一時は4%に迫る場面もあった。「効果あり」の声が報道ベースでは上がっていましたが、FRBの買取終了直後から、上昇していた利回りは低下。効果はなかった、という声に軍配が上がっている。
ECBが買取に消極的である事を考えると、米国債のように再び利回りが上昇する場面もあるだろう。 マクロプルーデンスの視点から、どでかい供給(買取)をしたのち、大きく吸収するというリピート行為は続く事になる、、
なんか、よく分からない文になってしまった。また更新します。
