ベルモンドの「レ・ミゼラブル」は、第二次大戦の時代に大胆不敵に翻案した感動活劇だった | えいいちのはなしANNEX

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このブログの見方。写真と文章が全然関係ないページと、ものすごく関係あるページとがあります。娘の活動状況を見たいかたは写真だけ見ていただければ充分ですが、ついでに父の薀蓄ぽい文章を読んでくれれば嬉しいです。

ジャン・ポール・ベルモンド傑作選ファイナル
レ・ミゼラブル Les Misérables

考えてみればレミゼはフランスの物語だし、フランスを代表する俳優ベルモンドを主演で、フランス人が映画化しないほうが不思議なわけで。

ああ、これは、ものすごく構成が上手くて、面白い映画だ。

二十世紀のフランスを舞台とし、ジャンバルジャンのような父王から生まれて、ジャンバルジャンの生い立ちをした主人公が、ナチスが占領するフランスで迫害から逃れるユダヤ人一家を助けて奮戦する。

単なるレミゼの翻案とは違う、ベルモンドは歳を取ってもベルモンドだなあというアクションシーンも満載、脱獄もあれば列車強盗もあり、フランス二月革命はないけど、ノルマンディー上陸作戦も、プライベートライアン 並みにがっつり出てくるし、単純に映画としても面白い。

クロード・ルルーシュ監督、って、あーーーっ、「愛と悲しみのボレロ」の人なんだね、あの映画は俺、リアルタイムで映画館で観て「すげえ」と素直に感動したヤツだけど。

この映画の構造は、それに凄く似ている、何世代にもわたる物語が最後に「フランス万歳」に結実していくのも、感動的でもある。

ベルモンドはフランスが誇るスターである、というのが浸みる映画です。

「ベルモント傑作選ファイナル」、先週から始まったとこです。みんな、なるべく観た方が、いいです。(今日のトークイベントは、フランス文学者 野崎敏先生)