もし、徳川家康の長男・信康と、織田信長の娘・五徳の間に男子が生まれていれば、秀忠ではなくその子供が二代将軍になったのか?
信康切腹事件の真相には、史実としても諸説ありますが。
よく言われている筋書きでいえば、五徳が男子を産んでいれば、信康と五徳の関係は悪化せず、信康切腹はなかったはずです。
家康は、信長に対して遺恨を抱くことはなく、徳川はそのまま織田の忠実な傘下大名で居続けただろうし、従って本能寺の変も起こらず、織田信長の政権が日本統一を達成します。
豊臣秀吉が関白になることも、徳川家康が征夷大将軍になることもない、まったく違う日本史になります。
この場合、信康の長男は、織田幕府のなかでも優遇された親藩の三代目として、三河で五十万石くらいの大名になっていることでしょう。
もちろん以上は、星の数ほどの可能性のひとつに過ぎません。
歴史上のどこかでひとつ事柄が変われば、ドミノ倒しのようにいろんなことが変わって、世界はガラリと違うものになります。
信康が切腹したときに息子も一緒に殺される、って線も、充分にある。
謀反人の嫡男は一緒に殺すのが、戦国時代のセオリーです。だって、親を理不尽に殺された男は、やがて必ず復讐の鬼「ハムレット」になりますから。
いや、五徳が息子を庇って、連れて織田家に帰り、信長の養子になって、やがて「二代目大六天魔王」として名を馳せるかも知れない。
関ヶ原のような「天下分け目」の戦争が起こったとき、東軍西軍の総帥は、秀忠対信康の息子、ってことになるかも知れない。
武田にでも亡命し、成長して祖父の家康に対して復讐を果たすかも知れない。
出家して比叡山に入り、修行して大物になり、やがて天海と名乗って、東照大権現を祀るかも知れない。
とにかく、無限の可能性があります。これ、どうせIf...の話なのですから、そんなかで、どの世界線が一番面白いか、ですね。
いずれにせよ、謀反人として切腹させられた信康の遺児が、すんなり二代か三代の将軍になるってのは…?
絶対にないとは言わんけど、あまりありそうもない線です。