天草四郎のもとに海の向こうから神は降りなかった、何故か? | えいいちのはなしANNEX

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「天草四郎に、どうして海の向こうからキリスト教の艦隊が助けに来なかったの?」
とかいう人は、取り敢えず真田広之さんが作った「SHOGUN」を観ましょう。
フランシスコザビエルが日本に来て布教してた時代から、世界情勢はとんでもなく変わっているんですよ。
キリスト教にはカトリックとプロテスタントがあって、旧教国と新教国は血で血を洗う宗教戦争をやっていた、ってことを知らなければ、世界史どころか日本史も語れませんよ。
イスパニア・ポルトガルの旧教国と、イングランド・オランダの新教国は、不倶戴天の敵です。そして天草四郎が率いる日本の切支丹は、フランシスコザビエルの弟子たちですから、カトリックです。
だから島原の乱では、幕府の求めに応じて、オランダの戦艦が原城を砲撃しています、現実に。
天草四郎たちは、おそらくイスパニア、ポルトガルの大艦隊が助けに来てくれることを期待して原城に立て籠っていたはずです。しかし現実は、旧教国にはもはや地球の裏側まで艦隊を派遣するような国力はなかったんです。
すでに無敵艦隊はドーバー海峡に沈められました。世界の海はイングランドとオランダに席巻されています。
天草四郎に神は降りません。