「八つ墓村」の落武者は尼子の残党だった、てことの意味は? | えいいちのはなしANNEX

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このブログの見方。写真と文章が全然関係ないページと、ものすごく関係あるページとがあります。娘の活動状況を見たいかたは写真だけ見ていただければ充分ですが、ついでに父の薀蓄ぽい文章を読んでくれれば嬉しいです。

大抵の「戦国武将好き」の子供は、毛利元就が大好きですから、その敵であった尼子をバカにしているか、無視しています。

しかし「八ツ墓村」の設定は、明らかに、滅ぼされた尼子側に同情的です。

勝ちに奢って落武者狩りをする毛利に批判的であり、勝ち馬に乗ってそんな尼子の落武者を騙し打ちで無残に殺した「村」は、実に没義道で、祟られて当然、皆殺しになっても自業自得、なわけです。

「毛利は正義」だと何の根拠もなく信じていた子供の頃の私は、「ハツ墓村」を読んで、頭をガツンと殴られたような衝撃を受けました(大袈裟か?)。「敗者だって人間だ」ってことを、オレは忘れてたんじゃないか? 

横溝正史は、なんとなく、薩摩・長州の藩閥政府が作った明治維新の「うさん臭さ」を感じていたのではないか、という気がするんですよ、いろんなの読むと、いやなんとなく。

つまりあのひと、毛利が嫌いなんじゃあないかなあ。

「八ツ墓村」のおかげで、敗者の尼子に注目が集まった、という側面は、絶対にあると思う。

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