尊皇攘夷とは、所詮は天誅と斬奸のテロリズムなのか? | えいいちのはなしANNEX

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このブログの見方。写真と文章が全然関係ないページと、ものすごく関係あるページとがあります。娘の活動状況を見たいかたは写真だけ見ていただければ充分ですが、ついでに父の薀蓄ぽい文章を読んでくれれば嬉しいです。

「尊皇攘夷」という言葉は、もともとは国のプライドを守ろうという立派な思想のはずだったのに、いつのまにか、敵対勢力を力づくで屈服させようという、テロリズムの表看板になってしまいました。そうしたのが長州や薩摩のエライ奴ら、具体的には桂や西郷の「仕込み」だとすれば、こいつら罪深いですね。

テロリズムの合言葉が「天誅」(天誅)と「斬奸」(ざんかん)です。

「奸」は女偏がついていますが女性ではなく、要するに悪者のことです。

尊皇の志士ってのは、奸物、つまり日本のためにならない悪いヤツを斬ることで「日本は良くなる」と信じ込まされていた、いわばカルト宗教にハマってたわけです。

「るろうに剣心 最終章 The Beginning」を見に行ってください、映画館に。

冒頭、いきなり、人斬り抜刀斎(主人公、当時は尊皇の志士)が、幕府方である京都見廻組の隊士(あれ?窪田正孝だ)を斬り殺し、そこに懐から出した(用意していた)「斬奸状」を放り投げて立ち去ります(この殺した男が実は・・・っていうのがこの映画のキモなんですけど、それはいまどうでもいい)。

これが当時の「天誅」の作法っていうか、つまり「コイツは、こんなに悪いヤツである、だから斬り殺した」という話が書かれているわけですね。つまり「辻斬りや強盗ではないぞ、天に代わって悪人を誅するのだ」という宣言書ですね。

この「天誅」「斬奸」をやるのは、基本的に「尊皇攘夷」側のテロリストです。「幕府の味方をするようなヤツは、みんなこういう目にあわせるぞ、次はオマエだ」って「恐怖を植え付ける」のがテロてもんですから、ただ殺すだけでなく、殺す理由を宣伝しなきゃいけない。そのための「斬奸状」です。

 

 

 

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