一人になった私は、ユカとアイカにラインをしていた。 

「彼氏ができました。ハルトです」 

何度見てもいい響き。

 一人でニヤニヤしちゃう

 

 

 

「おねえさん、一人?」 私は、顔をあげた。

 知らない男の人が3人。 

私を見下ろしていた。 

私は、ブンブン頭を振る。

 「かわいいじゃん。」 一人の男の人が私の頬触る。 怖くて、声も出ない。

 

逃げなきゃ。 じゃなきゃ、なにされるか分からない。 

もっと、人が多いところに出れば、、

そう思って、立ち上がる。

 

 

「誰ときたの?」 ついてくる。

 「彼氏」 

「でも、いないじゃん」

 

 

私はなんとか夜店がある人通りが多いところに出た。

 でも、みんな他人には無関心で、、、 見知らぬ男三人はまだついてくる。 

一人の男が私の耳元で、 「胸大きいね。何カップ?」 と聞いてきた。

 

 

 

泣きそうで、私は、どんどん歩くしかできなかった。

 「コトハ!」 助かったと思った。

 声をかけたのは、ハルトじゃなくて、マヒロだった。 

180cm超えのマヒロが立っていた。 

「ちぇっ!」舌打ちした見知らぬ男。 

「本当に男連れかよ」

 

 

よかったぁと安心したら、涙がポロポロ溢れ出てしまった。

 「ハルトになんで電話しなかったんだ?」 私は、マヒロに、ハルトの電話を差し出した。

 「すぐに、戻ってくるから持っててと言われてて、、、どうしよう」

 

 

「おっ!ハルトの未来の彼女さん!今度はマヒロに泣かされてんの? 地味なふりしてなかなかの女だな」 中学校の同級生と言ってたグループとまた遭遇した。

 

ちょっと待ってて、と言ったらマヒロは、中学の友達と話に行った。

 帰ってきたマヒロは、「ハルト見つけたら、ここにいることを伝えてくれるって」

 

「大丈夫?」 マヒロは、私の肩に手を置いた。

 思わず、体がビクンとなった。

 「ごめん」 マヒロが謝った。 

「ごめん、、、私、、 マヒロの優しさからって、分かってるのに、、、あの中学校の同級生に誤解されたかな? ハルトの彼女になれたのに、、」

 

さっきの見知らぬ男の人の顔が頭に浮かぶ。

 

「そっか。ハルトの彼女になったのかぁ、」

 「マヒロは、誰かと来てたんじゃないの?」私は慌てて、聞く。 だれか、置いてけぼり食らってるんじゃないかな?

 

 

 

「あー聞く?彼女と来るはずだったけど、俺、完全に今さっきふられた、」
はははと力なく笑うマヒロ。 
「ごめん、、、なんで別れたの?」
 どういうことで恋人って、ダメになっちゃうんだろう? 単純に興味があった。
 
 

「ごめんって、言いながら、傷えぐってくるなぁ、」 

また、笑ってるマヒロ。 

「ごめん。初めて付き合うから、これしちゃったら、別れなきゃいけないとか知りたくて、、、」

 

「ハルトは、大丈夫。 俺、ある人から元カノを奪ったんだ。出会った時、元カノは、その人から暴力受けてて。そこから救い出したくって、奪ったんだ。 でも、優しいだけじゃいや。とか、束縛しないのは、愛してないからじゃない?とか言われて。その人のところに戻っていった」
 
 悔しそうに話すマヒロの話を聞いたら、涙が出てきた。 
 

「コトハ!」 背後からハルトの声が聞こえた。

 「ハルト、、、」ハルトの顔見たら、安心して、また涙が溢れ出してきた。

 

 「あたし、アイメイク崩れて、絶対汚い顔になってるよね。。」そう言って、うつむいたまま、ハルトにスマホを返した。

 

「マヒロ、コトハを助けてくれて、ありがとうございました」 そう言って、ハルトは、私を抱きしめた。

ちゃんと丁寧語でお礼を言っている。友達だからそういうところを適当にせず、ちゃんとお礼を言ってくれて、守られている感が一層増す。

 「ごめんなぁ。全部中学校の同級生から聞いた」 

「ハルトの服、マスカラとかで汚れちゃう、、」

 「そんなのどうでもいい」

 

「ごボォん、えへぇん、」 

異常な咳払いをするマヒロ。

 あっ! と私は、ハルトから離れた。

 

 

 「えっとぉ。コトハちゃん。俺の傷えぐっておいて、さらにラブシーンまで見せるって、どんだけS?」

すごい優しい顔したマヒロが立っていた。