「whicheverを使うのか、whateverを使うのか」に関して質問されることがよくあります。
①whichとwhatの違いは、「選択肢制限」があるかどうかです。
Which
flower do you like?
「(目の前にあるいくつかの花のうち)どの花が好きですか?」
What
flower do you like?
「(頭の中に浮かぶどんな花でもいいから)どの花が好きですか?」
②「疑問詞+ever」は「~であろうが」ということだと思ってください。
whoever「だれであろうが」
whenever「いつであろうが」
wherever「どこであろうが」
頭の中に何かを浮かべてしゃべる以上、whateverを使えば「(頭の中に浮かぶ)例え何であろうが」という感じになりますし、whicheverなら「与えられた選択肢の中の、どれであろうが」というイメージしか出てきません。しかし(ここが人間らしくて面白いのですが)、「与えられた選択肢の数」というのはどうも2つとか3つ、という心理があるようです。それ以上だと選択肢という感覚は無いに等しいという感じみたいです。
例えば、目の前に椅子が20脚あるとします。入って来た人に対して係員が、「どの席に座ってもいいですよ」と指示するとします。さてここでwhatever seatと言うでしょうか?whichever seatと言うでしょうか?おそらくwhatever seatというでしょう。
You can take whatever seat.
実はこの状況は私の実際の授業で起きている風景で、このとき、一緒に教えているアメリカ人が上記のように言っています。
椅子は20脚あるわけですから、選択肢は無限なわけではなく、20という制限があります。しかし、whichは使わずに、whatになるわけです。選択肢が4つとか5つだとwhatever, whichever両方使う人がでてくるのですが、6つとか7つとかになると、「このうちのどれか」というwhicheverの感覚が薄くなって、「どれでもいいから」というwhateverの感覚が強くなるようです。この感覚はどこかの未開の部族(どこの部族かは忘れましたが)が1から3までしか数字をもたず、あとは「いっぱい」とか「いくつか」という意味の言葉で表されるのに似ています。
言葉は物理学や数学のように決まるものではなく、人間の認知能力(=世界の捉え方)というものによってできあがっているのだ、という好例ですね。
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