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これまでこのブログを通して、英文法の「謎」の数々を解いてきましたが、英語を身につけるにあたってそれよりももっと大事なことがありますので、述べておかなければなりません。
これまでこんなブログを書いておきながら、こんなことを言うのは矛盾しているように見えるのですが、このブログを読む「だけ」では、いつまでたっても英語の力は身につかないのです。
ふだん私の授業を受ける生徒の皆さんに最近いつも言っていることがあります。
英語って文系科目ですか?理系科目ですか?
答はどちらでもありません。英語、というか語学は体育系の科目なのです。
つまり、体を動かしてなんぼ、というものなのです。
皆さんがTVで野球を見て、その試合の内容が理解できる。でも、それだけで野球ができるようになるでしょうか。ムリですよね。実際に外に出て体を動かし、バットを振って、ボールを投げて、受けて、それでやっと「できる」ようになるわけです。
従来の英語の授業というのは、ほとんどの場合、「体育の授業を見学している」のと同じ状態で進んでいきます。「この英文はこうやって読むんだ」「この文法はこういうルールを持っているんだ」というふうに先生に指摘してもらい、生徒は一生懸命それをノートに取ります。
それはそれで悪いことではありません。しかし、そういった風景って、グラウンドの隅で選手達がコーチの言うことを一生懸命メモにとっている風景と似ていますよね。
スポーツ選手ならそのあとグラウンドに出て、コーチに言われたことを体に刻み込もうと何度も何度も体を動かすでしょう。しかし、英語の授業ではそんなことは起きません。つまり英語の授業には決定的に欠けているものがあるのです。「実践」です。グラウンドに出て体を動かすことはなく、ただメモを取って終わり。当然、英語が身に付かないわけです。
私は学生のころ、一時「英語マニア」になったことがありました。次から次に新しい本をあさり、何か自分の知らない知識が載っていないかと探したものです。しかしそれを知ったからといってどうなるのでしょう。少しでもスムーズに自分の気持ちを英語で表すことができるようになったでしょうか。私の場合はそうではありませんでした。格闘技ファンがマニアックにいろんな試合のビデオを漁って見ても、それで自分が強くなるわけではないのです。
真に英語の力を付けたければ、地道な訓練が必要です。スポーツと一緒で、体を動かす必要があります。つまり、フレーズを覚えて、繰り返し繰り返し口に出すのです。最初は考えながらしゃべっていた言葉が、何も考えなくてもスムーズに出てくるようになるまでです。これは脳科学的にもハッキリ示されていることで、「考えてやる=大脳新皮質を使う」で、これが繰り返されると「無意識にできるようになる/自動的に体が動くようになる=大脳基底核を使う」の段階になります。我々が母語である日本語を話す時に、特に意識しなくてもペラペラと口をついて言葉が出てくるのは、大脳基底核を使って発話運動を処理しているせいです。大脳基底核で運動を処理できるようになると、いわゆる「体が覚えている」状態になり、そう簡単には忘れたりしなくなります。実際、私にもそのような体験があります。今から20年前、半年ほどブラジルのサンパウロにいたことがあるのですが、その時に覚えて毎日使っていたポルトガル語は20年を経た今でも(さすがに不完全ですが)ある程度すんなり出てきます。さらに、大脳基底核は脳の中で唯一(と言ってもいいでしょう)、年を取っても訓練次第で能力が強化される部分だそうです。
ちょうど自転車に乗れるようになるのと同じです。「すごく考えたり、『日本語→英語』の経路をたどらないと英語が出てこない」状態は、実は克服できるものなのです。
それでは次回は、「英語の運動トレーニング」の第一歩をご紹介しましょう。
(つづく)
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