figureっていろんな意味がありすぎてわかんない! | 『英語職人』時吉秀弥の英文法 最終回答!

『英語職人』時吉秀弥の英文法 最終回答!

本当にわかる英語とは?!英語、英文法、その他の外国語の学習、言語学などについていろいろ語ります。

いつも応援ありがとうございます。がんばります。人気ブログランキング。
人気ブログランキングへ

今回はひとつの言葉にいろんな意味が含まれる、「多義」と呼ばれる現象をみてみましょう。
一見いろんな意味がありすぎて、つかみ所のないように思える言葉にも、かならず「根っこ」というものがあるのです。
例えば今回は、figure。
figureっていろいろな意味があります。
名詞だと、
①(輪郭でわかる)人の姿、人影
②女性の体つき、プロポーション
③大物
④数字、価格、額
⑤図、図解、挿絵
⑥フィギュアスケート
⑦像(フィギュア人形)

動詞だと、
①計算する
②図で表す
③考える、結論する
④解釈する
⑤筋が通っている

などなどです。
根っこはなんでしょう。それは「モヤモヤしたものに、はっきりとした輪郭、形を与える」ことです。
まずは名詞を見ていきましょう。
薄暗いところで見える①人影。これなんかは、その人の顔とかはハッキリ見えませんが、輪郭だけが見えている感じ。
例:I saw a figure getting into the room.「部屋に入っていく人影をみた。」
$『英語職人』時吉秀弥の英文法 最終回答!-figure
そして、②体型というのは「シルエット」ですよね。肌の美しさとかシワの多さではありません。輪郭だけなわけです。
「彼女スタイルいいね!」というのは
She has a great figure!
です。proportionとは言いません。絶対に。
proportionというのは英語では「比率」という意味でしか使いません。
それが日本語に入ってきて、いつのまにか「出るとこ出て、引っ込むところが引っ込んでいる、その比率」「手足の長さのバランス、比率」というところから「体型」という意味で使われるようになりました。日本語の「プロポーション」は、英語では通じない、典型的な和製英語のひとつです。あ、ちなみにstyleというのも髪型には用いますが、体型には用いません。styleというのは「やりかた」ということで、服や髪型は流行の変化によっていろんな「やりかた」に変えることができますが、体型はそうはいきませんよね。体のパーツは着せかえが効きません。残念ですが。

次に、③「大物」ですが、これは「形容詞+figure」という形で、「~の大物」とやります。
例:He is a political figure in the country.
「彼はその国では政治的大物である。」
これはおそらく、「影の薄い人=大したことない人」「影、輪郭のハッキリした人=重要人物」という感覚が働いているのでしょう。

④数字、額
「たくさん稼いだ」と言われても、ピンと来ません。「具体的にいくら稼いだの?」と数字で表せば、「稼いだ額にはっきりとした『輪郭』を与えている」ことになりますよね。
例:The figure shows increasing population in the first two decades.
「数字をみると、最初の二十年間での人口の増加がわかる。」

⑤図、図解
これも「言葉だけではモヤモヤとしてわかりにくい説明に、図/輪郭を与えて、ハッキリさせる」というところから来たものです。
例:See the figure 1.
「図1を見てください。」

⑥⑦フィギアスケート、フィギア人形
昔は氷上に「図を描く」ように滑ることがフィギアスケートだったようです。現在ではダンスやジャンプが中心になりましたが。そして、イメージに形/輪郭を与えるのが、「立像」つまり、フィギア人形を作ることです。
動詞にいきましょう。
①計算する②図で表す
もうわかると思いますが、「イメージを形にする動作」です。はっきりとした額を出すことが「計算」です。
③考える、結論を出す④解釈する
これも「形にする」という意味から来ていることがわかりますね。
We figured that it was the best solution.
「我々は、それが一番の解決法だと結論した。」
色々存在した意見をまとめる=ひとつの形をひねりだすということです。
解釈する、というのも人から聞いた話を「ああ、こういうことか」という風に、ひとつの特定の形としてとらえる、ということですね。

⑤筋が通っている
これも「ちゃんとした形になっている」ということです。
Oh, that figures! 「ほらね。」「やっぱりそうだ。」
そうじゃないかなー・・と思っていたことが、ハッキリ現実に形になったぞ!という気持ち。

このように色々意味がある言葉でも、決してそれらはバラバラではなく、根っこがあるのです。
次回は認知言語学の中で一番有名な学者のひとりである、ロナルド・ラネカーという学者さんが唱えた「アクティブゾーン」という考え方を使って、言葉の意味の多義がなぜ起きるのか、そのひとつのモデルをお話してみようかな、と思います。

読んでいただき、ありがとうございました!ぜひポチしてね!
人気ブログランキングへ
長い間放置していた自分のホームページ。
ちょっとだけ手を入れて、整理しました。
見やすくなったのかどうか・・。皆さんのご判断におまかせします。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~horumons/
$『英語職人』時吉秀弥の英文法 最終回答!
是非一度チェックを!