
さて、may as well 原形(1)~as原形(2)の作り方の続きです。
今回は、「二回目のasの後ろの形をどうするか」ということについてのお話です。
比較の文を作る時には大事な鉄則があります。それは、
「比べるもの同士の形は同じになる」
というものです。これは本当に重要です。
そもそも何かを比べる時には同じカテゴリーに属するものしか比べることができません。
日本語でちょっと実験してみましょう。
「僕」と「彼」
比べやすいですね。同じ人間同士だからです。
「僕」と「犬」
ちょっと比べにくくなりましたね。人間と犬は違う生き物だからです。でもまだ比べられないことはありません。例えば「僕よりも犬のほうがいいものを食べてるなぁ。」っていうのは自然な文ですよね。どちらも同じ生き物同士、比べることができるのです。
「僕」と「海」
かなり比べにくくなりました。もはや生き物同士ですらないですからね。でもまだ比べられないことはありません。ちょっと詩的になりますが、「僕は心が狭いなぁ。海を見てみなよ。こんなに穏やかだ。」とは言えます。
ここまでのところ、なんとか比べられたとはなぜだと思います?それは「品詞」が同じだからです。「僕」も「彼」も「犬」も「海」も名詞です。
では、品詞が異なったら、比べることができるでしょうか?それは無理です。
「走る」と「泳ぐ」→同じ「動詞」同士ですから比べることができます。
「僕」と「走る」→名詞と動詞では品詞が異なるので比べることができません。直感的にも比べることができないな、ということがわかると思います。
これは英語でも厳密に守られているルールなのです。
中学生レベルの例文でもこれがはっきりと表れています。気づいていましたか?みなさん。
例:「私は彼と同じくらい背が高い。」
I am as tall as (he,
→主語である「私(I)」と「彼」を比べているのだから、「彼」の形も同じく主格のhe。
例:「私は彼よりも彼女の方を気に入っている。」
I like him better than (
→目的語である「彼(him)」と「彼女」を比べているのだから、「彼女」の形も同じく目的格のher。
例:「外に行くよりは、むしろ寝ていたい。」
I would rather sleep than (go,
→would (rather)という助動詞の後ろだから、原形sleepがくる。「外に行く」ことと「寝る」こと」を比べているので原形sleepに対応する形でthanの後ろもやはり原形のgo。
さて、「may as well 原形(1) ~ as 原形(2)」の話に戻ります。
二回目のasの後ろにどういう形を持ってくれば良いのか、もうわかりますよね。
You may as well [throw your money away] as [lend it to him].
ここで比べているのは「お金を捨てる」と「彼にお金を貸す」です。
may as wellの後ろが原形のthrowなのですから、asの後ろも原形のlendが来るわけです。lendの主語はyouですが、すでに主語でyouを一度述べているので、二回繰り返す必要はありません。
You may as well throw your money away as
あ、そうだ。
may as wellの後ろに動詞原形が来る理由ってまだ話していなかったですよね。
ちょっと「may well 原形」に話を戻しましょう。このwellって副詞です。
だから、何?って?
may notって考えてください。notって何でしょう?
notは副詞です。
つまりwellとnotは同じ副詞という品詞の言葉です。
そこでこう考えてください。
It may rain. It may not rain.
mayの後ろにnotがあろうとなかろうと、助動詞の後ろに来るのは、動詞の原形ですよね。
このnotと、wellは同じ品詞の言葉なのです。ですから、may wellの後ろだろうと、ただのmayの後ろだろうと、やってくるのは動詞の原形です。当然、これがmay as wellになっても話は同じ(一回目のasの品詞は「副詞」でした!)。ですからmay as wellの後ろには動詞の原形が来ます。
似たようなパターンに「would rather 原形」(どちらかと言えば~したい)というのがありますが、rather(どちらかといえば/むしろ)も副詞です。
では次回は最終項。
「may as well 原形」(~したほうがいい)を説明します。
二回目のasはなぜこのイディオムにはつかないのか。そこには重要な省略がかくれています。そのことを次回、お話ししましょう。
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