
さて、これまでfine, good, O.K.について、「基準を満たしている」という意味の観点からいろいろと観察してきました。いよいよ最終章、wellの説明に入ります。
wellの説明自体は大したことありません。今回からは、wellを使ったイディオム表現である、
① may well 原形:
「~するのも無理はない」「おそらく~することになるだろう」
② may as well 原形:
「(しないよりは)~したほうがいい」
③ may as well 原形(1) ~ as 原形(2):
「(2)するのは(1)するみたいなものだ」「(2)するくらいなら(1)するほうがましだ」
という三つの表現をきちんと説明していきたいのです。
さて、まずは簡単にwellについての知識をまとめておきましょう。
goodは形容詞、wellは副詞、という品詞の違いがあるだけで、goodとwellの間には意味的な違いはとくにありません(もちろん、言語学的にはいろいろ言うべきことはあるのでしょうが、それはここではたいしたことではありません。)。
形容詞のgoodは「名詞の様子」を説明することばです。
He is a good guy.「彼はいい奴だ。」→名詞guyの様子を説明している。
a good argument「確かな議論/妥当な議論」
→名詞argumentが「議論としての基準を満たしてている」ことを述べている。
副詞のwellは主に「動詞の様子」を説明する言葉です。
Wash you hands well.「ちゃんと手を洗いなさい。」→どのくらいwashするのかの説明。
I read it and understood well.「私はそれを読んで、よく理解した。」
→「理解の基準を満たした」と言っていいくらい、理解した、ということ。つまりどのくらいunderstandしたのかの説明。
goodが名詞の様子を説明し、wellが動詞の様子を説明しているということを除けば、どちらも「基準を満たしている」という意味を持つことはかわりません。
さて、確認が終わったところで、今回の主役、may well 原形(~するのも無理はない)の説明に移りましょう。
He may well be angry.「彼が怒るのも無理はない。」
It may well rain tonight.「今夜はおそらく雨だろう。」
高校で初めて私がこのフレーズを習ったときは、「???」でした。だって、その当時の私はmayは「かもしれない」、wellは「上手に/うまく」と覚えていましたから、may wellというフレーズがなんで「無理もない」なんて意味になるのか、見当もつかなかったわけです。ましてやさらに「おそらく~だろう」なんて意味までついてくると、「はぁ??」の世界です。
しかし、wellを「基準を満たしている」、つまり「十分」という意味だと考えると、may wellの意味の謎はすぐに解けます。
may「かもね」+well「十分」=「十分なことかもね」
これがmay wellの根っこです。
He may well be angry.
「彼が怒っているのは十分なことかもね。」→「彼が怒るのも無理はない。」
wellはmayの「かもね」という話し手の推測の気持ちを「十分(ありうるかもね)」と強めているのです。
これを未来の話に結びつけていけば、「十分そうなるかもね」→「おそらく~だろう」という話になるわけです。
It may well rain tonight.
「今夜雨が降るのは十分なことかもね。」→「おそらく今夜は雨だろう。」
もちろんmight wellとしてもかまいません。mayよりもmightの方が「推測の気持ち」「そうなるだろうなという確率」が低くなっていくわけで、might wellとした場合は、その分「無理もない」が「まぁ、無理もないかもね」と弱くなるわけです。
ちなみにこれって、特にmayだけに起きる特殊なイディオムってわけじゃないんですよ。couldの可能性だって強調してくれますよ。
It could well happen to you.「それは君にとって十分起こりうることだよ。」
次回はmay as wellについてお話しましよう。
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