1級2次試験4連敗をつづる「取らぬ狸の皮算用 」の続きです。

 

1次免除最後のチャンスだった4回目の2次試験で不合格になったわたし……。気持ちを切り替えて、新たに1級1次試験の挑戦するなんてことは、到底できませんでした。

 

さらに、ショックのあまり、周囲のひとから

 

「1年もかけて2次試験対策をやっていたのに、合格できなかったんだって!」

 

「1次に合格したって、2次に合格しなきゃ、全然意味ないよね」

 

と思われているんじゃないかと考えるようになってしまったのです。

 

実際にはそんなことを言われたことはありませんでした。というより、友人たちもものすごくなぐさめてくれて、

 

「1次試験に1回で通ったんだから、実力はあるんだよ!」

 

などと言ってくれたのですが、気持ちを落ち着かせることはできませんでした。

 

そして、とことん落ち込んだあと、わたしは心の中で思っていたことを、オットに訴え始めました。

 

「日本人面接官が違ってたら、合格してたかもしれない」

「受験するほうは、必死の覚悟で受けてるのに、試験官があれじゃ困る」

「ネイティブの面接官だってあの状況はわかってたはずなのに、助け舟を出してくれなかった」

 

ある日、何日もわたしの訴えを黙って聞いていたオットがポツリと言いました。

 

「でもね、同じ日本人面接官に当たっても、合格した人はいるんじゃないの?」

 

心臓が止まりそうでした。

 

オットの言うとおりです。

 

わたしはあの試験で、100%実力を出し切った? 

聞き取れなくて、あきらめたのは自分じゃないの? 

 

オットの言葉を聞いてから、何度も自分に問いかけました。

 

試験だから、受験者が理解できる英語を試験官が話すのは当たり前だと思っていました。でも、もし、あれが試験ではなくて、実際のコミュニケーションだとしたら、相手の英語が聞き取れないからと言ってあきらめたら、コミュニケーションは成立しません……。

 

面接官の心証が悪くなるのを恐れるあまり、わたしには、質問がわからなければ何度も聞きなおすという、コミュニケーションにおける基本的な姿勢が欠けていたのです。日本人面接官ばかりを責めるのは、お門違いでした。

 

いつもなら、ここで完全復活!といくのですが、このときはそうはいきませんでした。1次免除がなくなってしまった今、教訓を生かすチャンスはもうないのです。

 

最後のチャンスを、わたしは自分の手でつぶしてしまった。

 

今度は、自分自身が情けなくなってきました。

 

続きは、棚からぼたもち でどうぞ!

 

このブログのトップページへ