英語の先生仲間だった
大好きな友人からメッセージが届きました。
なんと、
失語者の機能回復訓練と
私たちが子どもたちに対し実践していた
子ども英語のメソッドとが ”そっくり” だというんです。
失語症ってご存じですか?
話す、聞く、読む、書くとうい言語機能が著しく低下する障害です。
見た目は健常者と変わらないので、
見えない障害だと言われ
全国に50万人いるそうです。
私の友人 半沢淳子さんの高校時代のご友人が、
2013年、
脳梗塞から失語症になられたのだそうです。
そのご友人というのが、
東大大学院まで出られた才女で
文学座、東宝、梅田芸術劇場といった
まさに演劇界の最高峰で
戯曲翻訳家として活躍されていた言葉のプロ ー
石原由理さん。
その石原由理さんが、
失語症のリハビリの過程で
効果が実感できたのが「朗読」だったのだそうです。
石原由理さんのレッスンを一緒に受けている淳子さん曰く、レッスンは
一言でいえば「楽しい」。
子ども英語も「楽しい」ことが大前提です。
(子どもには英語の必要性、ないですからね!)
そして、
機能回復訓練として具体的に行うのが、
破裂音など口や下の筋肉の動かし方、使い方を学ぶ。
発声、早口言葉、活舌練習などで練習。
これも、私の教える英語と一緒。
日本語にない音が出せるように、
フォニックスで口の形や下の位置を学びます。
英語話者は、
喉を開いて空気を出しながら発生するので
喉発声も学んでもらいます。
そして、失語症のリハビリでは、
言葉だけに頼らないノンバーバルを大事にしているというのです。失った言葉を補う表現力として大事にしている非言語要素。
これも英語のレッスンに取り入れています。
コミュニケーションの7割が非言語だというデータに基づき、言葉が完璧でなくても通じさせる手段として、
表情、声色、gesture, 実物、絵、写真、など、使えるものは何でも総動員して、「あるもので伝える」というマインドを育んでいます。
そのうえで、
失語症リハビリレッスンでは」
強弱、間の取り方、抑揚のつけ方など表現力を磨くのだそうです。
これは、英語の発表会前の指導そのものです。
学期ごとに保護者の方を招いての発表会や、
年に一度の合同発表会などを行っていたのですが、
発表会前には、
発表の姿勢から、
笑顔で、
よく通る声で、
ジェスチャーを交えて、
感情込めて、
自信をもって発表できるよう
準備していました。
まさに一緒~!
母語の回復にも役立つメソッドと
英語習得のメソッドとが同じであるということに、
私は改めて可能性を感じています。
なかなか大人の方に、
歌や早口ことばは受け入れていただけないので、
だんだんとビジネス英語寄りになってきつつあったのですが、やっぱり、
歌やリズムやフォニックスは英語
ー特にコミュニケーション英語の習得には必要だな、と
私たちは、
自分たちの平穏な日常も、
いつ何が起こるかわからない
ということは頭では理解しています。
が、なかなか現実味をもって
「その時」のことを準備するのは難しいと思いませんか。
忙しいこともありますが、
そんな未来を考えるのが怖いからだと思います。
でも、
たとえ、障害を得ても、
こうして、自己回復に励み、
社会で活躍する人達の存在を知っておくことは、
不幸にしてその当事者になった時に、
大きな支えとなると思うのです。
特に脳は可塑性が大きい。
失われた機能は、
他の部位が補って新たな神経結合が起きて、
回復していく力が大きい臓器だと言われています。
このイベントを紹介してくれた淳子さんに感謝しつつ
参加チケットを購入しました。