あと2年したら小学校での英語が教科になりますね。
小学校3,4年生は、年間35単位時間の外国語活動。
小学校5,6年生は、年間70時間単位の外国語科となります。
小学校英語の全体像、めざすものが知りたくて、
文科省の直山木綿子氏のお話しを聞いたのですが、
「耳からの学び」が一つのキーワードだと感じました。
たとえばアルファベット。
これまで中学校に入ってから学んでいた文字指導が
小学校におりてきて、定着まで求められます。
が、ガシガシ何度も書いて暗記する、
という従来のやり方はやってはいけないとのこと。
時間をかけて
「音」とともに何度も文字に出会わせ、
折に触れて出会い直しをさせながらゆっくり慣れ親しませて定着にもっていくことが大事だとおっしゃっていました。
実際、アルファベット指導って奥が深いんですよね。
ABCソングが歌え、
アルファベットが順番に書ければそれでOK・・・。
ではないんです。
それはまだ入り口って知ってました!?
な~んてえらそうなことを言ってますが、
私もmpiセミナーでその奥深さに気づかされた一人です。
小学校でもこんな深い学びができるとよいですね。
本題からズレましたので
戻りますね。
耳からの学びを大事にしていると感じた2点目が、
過去形の扱いです。
なんと、
あえて過去形は不規則動詞から導入するのだそうです。
耳で聞いた時に、
規則動詞の -edは聞き取りにくいから、
というのがその理由でした。
enjoy →enjoyedより
以下の方が違いがはっきりわかるでしょ? と。
see →saw,
go →went,
eat → ate
耳からの気づきを中心に動くため
目で見ないと気づきづらい規則動詞は敢えてとりあげないで不規則動詞にしたのだそうです。
過去形を使う単元を夏休み後にもってきて、
休み中の経験を語る場面に使ってもらおうとの意図があるとのことでした。
なるほど~。
いろいろ考えられているのですね。
翻って「えいごナビ」。
うちでも、歌や絵本、自己表現や会話のテキストのどれをとっても、過去形どころか関係代名詞も、未来形も、if節も、仮定法だってでてきています!
文法切りで教材を選んでいないからなのですが、
全く問題ありません。
民間だからできることだったのですね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・としみじみ。
例えば小3生の絵本
The Lady with the Alligator Purseの中の以下の一文
"But it wouldn't do down his throat. "
の箇所.
「とても早くて言えない」、
と最初こそ不安を口にするものの
1か月もすると皆上手に言えるようになり
上手に言えるようになると、
今度は自慢げに人前で暗唱したがるようになります^^
これが子どもの自信につながっていきます。
この調子でたくさんの絵本を丸ごとインプット。
インプット量が将来の英語力を決めるのです。
言語学者の田中茂範教授(慶應義塾大学)も
「幼児(児童)期からチャンク(塊り)による英語の理解の仕組みになれておくと、
将来どんな複雑な構造の英語を学んでも自然な形で意味を処理することができるようになる」という趣旨のことを述べられていましたし。
子どもはわかるところだけつなげて楽しめる生き物。
少々わからないところがあっても気にしません。
この特性があるからこそ、
言語というあいまいな、そして、
膨大なインプットが必要なものを
短期間に自分のものとできるのでしょう。
文部科学省の耳からの英語学習という視点は大いに賛成です。
今日もお読みいただきありがとうございました。
子ども英語専門「えいごナビ」の山口幹代でした。