<<今日の専門家の視点>>
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“流暢さ(fluency)”と、
“正確さや、複雑なことを話す力(accuracy & complexity of speech)”とは
トレードオフの関係にあり
fluency に力点をおくと、
決まりきったchunk(句や決まり文句)から抜け出せず、
文法的な正確さや、複雑な発話ができなくなりがちである。(Skehan 1998)
まず注目していただきたいのは、
「正確さと流暢さがトレードオフの関係にあること」です。
もっともこのことは専門家に指摘されるまでもなく、
多くの人が実感として感じていらっしゃることと思います。
三単元のsや、時制による動詞の変化など、
文法的にまちがいのない完璧な英語を話そうとすればするほど、
しゃべれなくなってしまいます。
かといって、単語だけを並べたり、あまりに文法的まちがいだらけの英語では、
対等なコミュニケーションに差しさわりがでてしまいそうです。
では、どうすれば、文法的ミスが少なく、かつ流暢に話せるようになるのでしょうか?
もう一度Skehanの言っていることに目を向けてください。
「fluency に力点をおくと、決まりきったchunk(句や決まり文句)から抜け出せなくなる」と言っています。
つまり、
逆に言えば、
「決まりきったchunk(句や決まり文句)を使えば流暢に話せるようになる」
ということです!
ケンブリッジガイドの中で、流暢さを身に付けた例として出てくるのが、
日本人の事例です。
「33歳の日本人芸術家Wes。母語は日本語。
15歳で退学したため、正式な英語学習はほとんど受けていない。
成人してハワイに渡った後、
現地でコミュニケーションするなかで英語を実地に学びコミュニケーション力を身に付けた事例。
ハワイ大学の研究者Richard Schmidtが3年間の様子を観察。
3年経った後でも、文法的には、ネイティブにはるかに及ばない。
一方、チャンク
- “Hi! How’s it?”
“So,
what’s
new?” “What do you want?”などの定型表現を意識的に使うことによって、流暢さを獲得。
熟練した会話能力を身につけ、交渉力は十分。
複雑なビジネスを英語で行うことや自身の絵画作品についてのプレゼンさえ行える。
コミュニケーターとしての成功事例」として紹介されています。
「チャンクを意識的に使うことによって流暢さを獲得」と言う箇所に注目してください。
また、先日、日本以外に、シンガポールでも起業をしているという、
まさに世界を股にかけて仕事をしていらっしゃるビジネスパーソンとお話する機会がありました。
その方に、どうやって英語を身につけたのですか?と、お伺いしたところ、
次のような返事が返ってきました。
「私は、最初に、よく使うフレーズをたくさん覚えたのです。
例えば、Well, ~. I would like to say ~. What I want to know is ~. 等々。
それらのフレーズを
英語を考えなくても、反射的に口から出るように練習しました。
そして、それを言っている間に、
自分が言いたいことを考えるようにしていました。
それから英語がしゃべれるようになったと思っています」と。
ケンブリッジガイドに載っていた事例も、また、上記のビジネスパースンも、
チャンクによる会話を、
みずから考案&実践することで、流暢さを身につけた例だと言えると思います。
((今日のまとめ))
ペラペラ話せるようになりたいとお思いのあなた!
チャンク学習をしていますか?
次回は、チャンクとは何かをもう少し詳しく説明したいと思います。