15.罪の赦し | 英語学習兄弟

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『不思議の国のアリス』やマーク・トウェインの小説を取りあげて、英語の翻訳や解説などやってます 

その言葉を最後にサタンが消えてしまったので、ぼくたちは悲しく、がっかりした。

男たちとアドルフ神父に来てもらい、ハンスの死体を発見した。犬以外、誰もハンスを気にかけない。犬は嘆き悲しんで、主人の死に顔をなめていて、慰めることもできなかった。
(中略)

セピは言った。
犬は、自分をひどく扱った男を許した。だから、あるいは神は、その罪の赦しを受け入れてくださるかもしれない、と。



With the last word he vanished, to our sorrow and disappointment.

We got the men and Father Adolf, and we saw the man die. Nobody cared but the dog; he mourned and grieved, and licked the dead face, and could not be comforted....

He said the dog had forgiven the man that had wronged him so, and maybe God would accept that absolution.




wrong は、動詞で「~を不当に扱う、虐待する」。

「間違った」「悪い」という形容詞の用法がメインなので、動詞で使うことって、あまり見かけないかもしれません。

maybe は、possibly や perhaps と同じ程度の確実性です。

「ひょっとしたら」や「たぶん」という訳が載ってるのですが。
日本語の感覚だと、「ひょっとしたら」と「たぶん」って、確実性がかなり違うような印象受けますね。


このあたりのくだりは、作者マーク・トゥエインの皮肉というか反語というか・・・。

セピに上記のように言わせながらも、作者自身はおそらく、神の救済を信じていなかったのでしょう。

マーク・トゥエイン The Mysterious Stranger より


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