日本の研究者グループが、手触りの感覚を共有できる新しい技術を開発しました。この種類のシステムは世界で初めてだということです。
通信大手のNTTドコモと慶応義塾大学、それに名古屋工業大学の研究者らは、共同でこの技術の開発にあたりました。
このシステムは、(指先につけた)センサーを使って、人が物に触れた際に(皮膚が)感じ取る僅かな振動を周波数として計測し、そのデータをもとに、別の人が手に握った装置を振動させて(感覚を)再現することができます。
研究者たちは、このシステムが、伝統工芸のような手触りの感覚に頼る技能の継承や保存に役立つかもしれないと話しています。また、この技術をネット通販で活用すれば、洋服の買い手が事前に生地の手触り感を確認することもできるということです。
A group of Japanese researchers has developed new technology that allows users to share their sense of touch. They say it is the first system of its kind in the world.再生解説
訳
ある日本の研究者グループが、新しい技術を開発しました、ユーザーが手触りの感覚を共有できるようにする。彼らは言っています、それはその種類としては世界で初めてのシステムだと。
解説
人が物に触れた際に感じる手触り感をデータ化し、他の人と共有できる技術が開発されました。「相手の触覚に対する感度特性を踏まえて触覚を共有する基盤技術の開発」としては世界初だということです。
allowは、人を主語にして「~することを認める」という意味でも使いますが、物を主語にしてallow A to ...「Aが~することを可能にする」としても使います。
shareは「共有する」ですが、今回の文脈では感覚を他の人に「伝える」とも訳せます。
sense of touchは「触覚」です。同様に、「視覚」ならsense of sightやsense of vision、「聴覚」ならsense of hearing、「嗅覚」ならsense of smellと表現できます。
of its kindは「その類いの、この種類の」で、the first of its kind「この種類で初めて」という形でよく使われます。This school is the first of its kind in Tokyo.「この種類の学校は東京では初めてです」のように応用してみてください。
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Researchers from telecom giant NTT Docomo, Keio University, and the Nagoya Institute of Technology worked together on the project.再生解説
訳
電気通信の巨大企業NTTドコモ、慶応義塾大学、そして名古屋工業大学からの研究者たちが、協力してこのプロジェクトに取り組みました。
解説
work together on ...は「協力して(力を合わせて)~に取り組む」です。日本語では、こういった文脈で「一緒に働く」とはあまり言わないので思い浮かびづらい表現かもしれません。work together to ...「協力して~する」や、work together toward ...「~に向けて力を合わせる」という形で使うこともあります。
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The system uses sensors to measure the frequency of the subtle vibrations a person feels when touching an object.再生解説
訳
そのシステムはセンサーを使い測定します、僅かな振動の周波数を、人が物体に触れているときに感じる。
解説
the system uses sensors to measure ...は「そのシステムは~を測定するためにセンサーを使います」と理解しても、「そのシステムはセンサーを使い~を測定します」と理解しても、どちらでも大丈夫です。
ここでのmeasureは、動詞で「測定する」です。
ここでのfrequencyは「周波数」です。「頻度」という意味で使うときもあります。形容詞frequent「たびたび起こる、しばしばの」の名詞形です。
the subtle vibrations a person feels when touching an object「人が物体に触れているときに感じる僅かな振動」は、the subtle vibrations (that) a person feels when touching an objectのように言葉を補うと分かりやすくなります。
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This data can then be used to reproduce the vibrations on a device held by another person.再生解説
訳
このデータはそれから使うことができます、その振動を再現するために、別の人に握られている装置上で。
解説
this dataは、前のセンテンスに出てきた周波数の測定データを指しています。
can be usedと受け身なので、正確に訳すなら「使われることができる」となります。
produce「生産する」に「再」を意味する接頭辞re-が付いたreproduceは、「再生する、再現する」です。「生殖する、生殖させる」という意味もあり、reproductive medicineと言えば「生殖医療」です。
この技術は、人が物に触れた際に指先で感じる手触り感を、専用の機器で再現できます。具体的には、指先につけたセンサーで、物に触れたときに皮膚が感じ取る僅かな振動を周波数として計測し、そのデータをもとに、手に握った半球型の専用機器を振動させることで感覚を再現します。
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The researchers say the system could help teach and preserve skills that rely on touch, such as traditional craftwork.再生解説
訳
その研究者たちは言っています、そのシステムは役立つかもしれないと、触ることに頼る技能を教えて保存するのに、例えば伝統工芸。
解説
helpは「~するのを支援する」ですが、ここでは「役立つ」といったニュアンスです。支援を受ける人や物を入れずにhelpの後ろに動詞を直接置くとき、このセンテンスのように動詞は原形(teach / preserve)にします。支援を受ける人や物をhelpの直後に置く場合は、例えばhelp her lift the box「彼女が箱を持ち上げるのを手伝う」のように原形動詞の形にすることもできますし、help her to lift ...の形にすることもあります。
teach and preserve skills that rely on touch, such as traditional craftworkは、「伝統工芸など触ることに依存する技能を継承する」と訳すと自然な日本語になります。
こうしたシステムで手触り感をデータとして保存することで、職人の繊細な指先の感覚など、さまざまな手触り感を他の人と共有し、伝統工芸の技能の継承などで活用することが期待できます。
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They say the technology could also be used by online retailers to allow people shopping for clothing to feel the materials beforehand.再生解説
訳
彼らは言っています、その技術はオンライン小売業者にも使われうると、服を買う人ができるようにするために、あらかじめ生地に触れることを。
解説
冒頭のセンテンスと同じように、allowが使われています。allow A to ...は「Aが~することを可能にする」で、Aにあたる部分がpeople shopping for clothing「服を買う人々」です。
feelには「触れる」という意味があり、ここでは疑似的に「触れる」ことを指しています。
ここでのmaterialsは、いろいろな服で使われている「(複数の)材料」、つまり「生地」です。
beforehandは「あらかじめ、事前に」という意味の副詞です。
開発担当者は、洋服の生地などの手触り感を確認することもできることから、ネット通販での活用も期待できるとしています。さらに、将来的には通信の技術を使って離れた場所にいる人とリアルタイムで感覚を共有することも目指しているということで、遠隔医療の触診で活用できないかという声もあり、検証を行っているということです。