from 師範代Shinya
僕が１０代の頃、弟と一緒にテレビにかじりついて毎週見ていたテレビ番組がありました。
それが、「ナポレオンズのマジック道場」という番組です。
道場という名の通り、マジックを教えてくれます。
コメディーマジックで有名なコンビのナポレオンズさんが、マジックの楽しさと奥深さを見せてくれる、とても珍しい番組でした。
単なるタネ明かしではなく、マジックの演じ方のコツや、お客さんとのコミュニケーションの取り方も含めて、丁寧に教えてくれる内容です。
僕と弟は、その番組を毎週リアルタイムで録画しながら見て、その後もテープがすり切れるまで繰り返し見て、手さばきやセリフの言い方をマネして練習していました。
マジシャン役とお客さん役を、弟と２人で交代しながら、繰り返し練習したのを、今でも思い出します。
そういう意味では、僕たちは熱心な「道場生」だったと思います。
実際に、僕たちは大人になってから兄弟でプロマジシャンとして活動するようになったので、あの番組が僕たちの人生に与えたインパクトは計り知れません。
プロマジシャンとして活動するようになってしばらくした頃、ナポレオンズさんのお２人に直接お会いする機会を得られたので、そのことを報告したら、とても喜んでいただけました。
ゲストマジシャンに魅了される
実は、「ナポレオンズのマジック道場」の番組構成は、２つのパートに分かれていました。
①マジックを教えるパート
②ゲストマジシャンのマジックを見て楽しむパート
です。
②のゲストマジシャンは、プロとして第一線で活躍している人たちが、毎週交代で登場しました。
プロ中のプロの繰り出す、熟練の技を見れるこのパートは、とても贅沢な企画でした。
もちろん、タネ明かしやレクチャーは一切ありません。
（もしタネを教えてもらっても、たぶんマネできる視聴者はいないでしょう）
このゲストマジシャンの人たちのマジック演技が本当にスゴくて、僕と弟は、何度も何度も繰り返し録画を見ました。
当時少年だった僕と弟の目には、ゲストマジシャンの方々がキラキラ輝いていて、カッコ良く見えました。
番組内では、ゲストマジシャンが単に技を見せるだけではなく、ナポレオンズさんがインタビューしながら、マジックを始めたきっかけや、ここまで至る経緯をカンタンに話すパートもありました。
当然ですが、今はスゴい演技ができるようになった人も、初心者だった頃があったわけです。このインタビューにより、
「自分もマジックの練習を続けていれば、いつかこんなにスゴいことができるようになる人になれるのかも？！」
という期待を持たせてくれたのです。
もしこれをＮＨＫの英語番組に置き換えると・・・
①英会話フレーズのレッスンをするメインパート。
②次に、「日本生まれの日本育ちなのに、英語が流ちょうな人」を呼んで、英会話を披露してもらう。
③その後、その人が初心者の頃からどうやって日本で英語を身に付けたのか？を軽くインタビューする。
みたいな感じです。
これはテンションが上がりますね！
「英語学習を続けていれば、いつかは自分もこうなれるかも？！」
という希望を持たせてくれるような番組構成です。
僕はいつか、こういう英語番組を作ってみたいです！
僕がホストになって、英語が流ちょうな日本人に、ここまでの勉強の道のりをインタビューしていきます。
当時のマジック番組のナポレオンズさんのような役割を、英語学習の世界で今の自分がやれたら・・・想像するだけでワクワクします！
ひときわ輝くゲストマジシャン
話をマジックに戻します。
当時「ナポレオンズのマジック道場」に登場したゲストマジシャンの中で、ひときわ輝いている人がいました。
それが、「前田知洋さん」です。
スラッとした長身のイケメンで、「奇跡の指先」と呼ばれるほどの超絶テクニックを駆使して魅せるマジック。
それでいながら、紳士的で品が良いしゃべり方。
当時「２９歳です」と自己紹介されていた前田さんの姿は、今でも強烈に脳裏に焼き付いています。
その後、前田さんはどんどん有名になっていきました。
・ゴールデンのバラエティー番組にいくつも出演
・前田さんのマジック特番が何本も組まれる
・小泉元総理に、マジックの個人レクチャーをする
・イギリスのバージン航空の創始者のリチャード・ブランソン氏のパーティーで、ご本人相手にマジックを演じる
などなど、「セレブ御用達のマジシャン」として、活躍のフィールドをどんどん広げていきました。
僕たち兄弟にとっては、最初から雲の上のような存在だった前田さんが、さらに高く登っていき、大気圏を超えて宇宙へ行くのを
眺めるような感覚でした。
それから十数後、僕が２７歳の時に、「前田さんのディナーショーが東京の高級ホテルで開かれるらしい」という情報を、弟がゲットしました。
そのディナーショーでは、なんと前田さんの生演技を目の前で見れるらしいのです！！
そこで僕らは、そのディナーショーのチケットをすぐに買いました。
・・・つづく。
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