最近は一部のやや業績がよくない戦略コンサルが業容を縮小しているため、人材市場に人が出てきているようです。
一方で業績がいいファームがその人材を吸収しつつあるため、いい先と悪い先の2極化が進んでいるように感じます。
こうした状況では、業容が良くない先にいると選別の目が厳しくなってきますので、コンサルタント側も仕事におけるパフォーマンスにはナイーブになってきます。
一方でファーム側としては、いかに優秀な人は流出させずに、あまりパフォーマンスの高くない人から外に出ていってもらうかに頭を悩ますことになります。
戦略コンサルではup or outなどの選抜の仕組みがあるのですが、そうした新陳代謝が日頃からうまく回っていると、こうした時期にも比較的楽に対応ができます。
(up or outについては、こちら )
多くの日本企業では、パフォーマンスの高い人も低い人も含めて全員を育てることで組織を強くしますが、プロフェッショナルファームでは全員を育てるものの、最後まで全員を残すのではなく、新陳代謝を高めることで組織の質を担保します。
新陳代謝を高めるといっても、必ずしもクビにする仕組みだけでなく、ハーバードビジネススクールのように、高い退職金を設定して自ら外に出ていくような仕組みをつくることもひとつです。
リクルートも勤続が6年を過ぎると退職金が上乗せされますが、これも狙いは同じで、より幸せに辞めていってもらうための仕組みです。
同時に、ハーバードでは生徒からの評価、リクルートでは業績評価がポジションと給与に強く影響しますが、パフォーマンスも厳しく見ることで、優秀な人ほど残りやすい仕組みにすることに腐心します。
コンサルも一緒で、優秀な人が残り、パフォーマンスをあげられない人ほど納得して別の組織へ移る仕組みを普段から構築しておくことで、組織としての質を保ったまま、規模の変化に柔軟に対応できるようになります。
このため、たとえ業績がよい時であっても一定の新陳代謝ができる仕組みをつくっておいて、有事にも対応できるようにしておくことがプロフェッショナルファームでは重要になりそうです。