中華料理店で食事して、期待値の重要性を思う | 外資系 戦略コンサルタントの着眼点

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最近、何度か銀座アスターに食事をしにいきました。

銀座アスターは中華料理のチェーン店なのですが、単品で頼むと、一品あたり2000円~4000円ぐらいなので、それなりに高級店です。

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2ヶ月の間に銀座で2店、日本橋で1店と、3店とも違う店舗に行ったのですが、どこでも共通しているのがオペレーションの悪さです。

席が空いていても待たされますし、食べた後もレジでお会計しようとすると、ずいぶん待たされます。あそこまでレジで待たせる店も珍しいぐらいです。

味自体は美味しいのですが、3度とも頼んだ同じ麺は、2度はずいぶん柔らかく、伸びている感じでした。(それか、1度の固かったものが規定より固かったのかは、不明です。)

難しいポジショニングのチェーンなので、以前よりも顧客が減っていることは想像に難くないなか、オペレーションを含め、負のスパイラルに入っているのかもしれません。


分析手法で、期待値-満足度分析(CS-CE分析)という定石がありますが、これはサービスに対する顧客の期待と満足の関係を分析し、改善の切り口を示すものです。

例えば顧客の期待値が高いサービスで満足度が低いと、顧客を裏切っていることになりますので、顧客離れにつながることになり、早急な打ち手が必要です。
一方で、期待値が低いサービスで満足度が低くても、そもそも期待されていないだけにあまり大きな問題にはなりません

アスターの場合、メニューがそれなりにいい価格ですし、サービス料も一部とっているので、接客や食事に対する期待値は高くなります。
そのような状況で、十分な満足度を提供できていないと、今後さらにブランドイメージの毀損や、顧客離れにつながりかねません。

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月にグルーポンのおせち騒動がありましたが、あれも「2万円の謹製おせち」で期待を煽ったために、現実との大きなギャップに購入者が落胆して騒動になった点では似ています。(あれはそもそも詐欺の域ですが。)

マクドナルドでは、接客の最終目標が“顧客を感動させること”と言われていますが、感動というのは期待を超えたときにしか生まれないことを考えれば、マクドナルドも常に顧客の期待を考え、それを上回れと言っているわけです。

すべての仕事で同じことが言えるのだと思いますが、銀座アスターで食事をして、自分自身も仕事における期待値-満足度のバランスは、よく気を付けないといけないと感じたところです。
(以前も期待値コントロールの仕事における難しさはこちらの記事 で書きました。)