林間学校で栃木福島の県境にある高原にいった

 一日目私の組は脅かし組と驚かされ組に分かれて肝試しをしていた。にぎやかに悲鳴が上がるのを私は宿舎の入り口に立って聞いていた。

 そして二日めは星を見る夜にした。係が星座表を作り印刷して持ってきた。みな、三々五々外の暗闇に腰を下ろして暗い空を見上げていた。幸い晴渡り満天の星。なんとなくみな口数が少なかった

 少年はたまたま私のそばに一人で立っていた。。しばらく黙っていたが、星に詳しい彼は目の悪い私に特別目立つ星のいくつかを教えてくれた

 しばらくして彼はそばに腰を下ろした。「あゆみ」という日記のようなノートに2,3日まえに書いた出来事について彼が私に聞いた。「先生、やっぱりSにちゃんといわないのずるいですか?」  

       

 Sと彼は同じ団地に住む幼馴染、今は隣の組、そして一人は長距離、一人は短距離の陸上部選手だ。「Sはそのあとまた聞いてきた。」「いや、何にも。」「Sだってわかったんだと思うから黙っていていいと思うわ。」「そうですね、」話はそれで終わった。

 その日彼らはいつものように家路に向かって歩きながらお互いに好きな人を打ち明けようって話になったのだそうだ。じゃんけんで負けたSが先に「Tさん]といった。陸上部の色は浅黒いがきりりとした短距離選手の女の子だった。彼が好きなのも同じTさん「ごめんやっぱり恥ずかしいからやめた。」彼は言った。ちょうど家の前に着いた時だった。「ずるいな…」とSは言ったけどそれ以上追求せずにわかれた。それだけのことだった。

        

  少年の横顔がまぶしかった。

   結ばれることのない青春の思い出だけれど。彼らももう還暦を超えた。

 

 

 

 

 今日のお弁当

   

 

 片隅に残っていたオキザリス