ふと詩集を手もとに置いたままにして置いたらあの日の内緒話を思い出した。

 ずっと以前にこの詩はご紹介したことがると思うけれど、もう一度載せてみたい。

 もちろん主人公は別の女の子だけれど。

 

 

      少女の話

 

 今朝 わたしがそれをおかあさんに話したら

 廊下にさしこむ朝日の中で

 おかあさんは目をみはりました

 とってもやさしい目でした

 雨あがりの庭先で

 菊はあざやかな黄色でした

                 

 

       みそ汁のにおいが

    とても懐かしくてあったかだけど

    おとうさんの顔をみるのが

    なぜかちょっぴり照れくさかったんです

 

 先生

 こんなにわたしの胸がどきどきするのはなぜでしょう

 みんなもおなじだったのかしら

 

     先生

     けさ わたしは

     一人前の女性になりました

 

 農村の中学に勤めた10年。純朴な心に寄り添って生きるのはとても幸せな日々でした。温かい思いを詰め込んでくれたおかげで、残りの20年難しい都会の学校、荒れる生徒たちの中にも純真な心があるって信じていられました。だから学校経営から逃げてやめてしまったのかもしれません。でも後悔はしていません。