ブロ友さんのタイトルにあったテーマ。正直言って自分の卒業も、娘の卒業も胸が詰まることはあっても泣いたことは記憶にない。

 自分が出した9回の卒業生で、たった一度確かに泣いた記憶がある。これは以前にも書いたことがあるけれど。

           

 在校生の拍手とアーチをくぐる前のほとんどの担任は花束をもっていらっしゃった。私だけなかった。代わりになぜかクラスの生徒はみんな花を持っていた。さてその直前列が進もうとしたとき、一人一人が握手を求め、一輪の花を手渡してくれた。いろいろ問題を起こした男の子の番になった時「先生、ありがとうございました。」ってその子はいった。握手した手がものすごく温かく汗ばんでいた。そうしたら不覚にも一気に涙があふれて止まらなくなった。

            

 その後の彼の人生もいろいろあって大変だったようだし、同級会にも一度も来ないまま、今年は還暦になった。

 二十歳の時、彼は父親になった。たった一度だけその時彼の声を聴いた。電話がかかってきた。「先生女の子が生まれました。」弾んだ声だった。「おめでとう。しっかり育ててね。」確かそんな風に答えたような記憶がある。

 

 もちろんほかのことでは涙を流したこともあるだろうけれど、卒業式はいつもは笑って晴れ晴れと送り出すことにしていた。

 

 忘れられない思い出である。