これを少しアレンジするだけ![]()
読書感想文
『わたしを離さないで』を読んで
カズオ・イシグロの小説『わたしを離さないで』を読んで、最初は少し不思議な物語だと思った。舞台はイギリスの寄宿学校で、子どもたちは一見ふつうの学生生活を送っている。しかし読み進めるうちに、彼らがただの生徒ではなく「特別な使命」を持った存在であることが明らかになる。その事実に気づいたとき、私は胸がつまるような思いがした。
主人公キャシーと友人のトミー、ルースの三人は、友情や恋愛といったありふれた感情を抱きながら成長していく。笑ったりけんかしたり、好きな人に嫉妬したりする姿は、どこにでもいる中学生や高校生と変わらない。だが彼らの未来には「自分の意思では変えられない終わり」が待っている。その理不尽さを知りながら、彼らが日常を大切に生きようとする姿に、私は強く心を動かされた。
この物語で印象に残ったのは、「希望」と「諦め」が同時に存在していることだ。キャシーたちは、自分たちがどういう運命にあるかを少しずつ理解していく。逃げようと思えばできたのかもしれない。でも彼らは最後まで大きな反乱を起こさず、静かに自分の役割を受け入れていく。その態度を「弱さ」ととらえる人もいるだろう。しかし私はむしろ「強さ」だと感じた。限られた時間の中で、仲間とのつながりを大事にし、最後まで人間らしく生きようとしたからだ。
この小説を読みながら、私は自分の生活についても考えた。学校や家庭で「やらなければならないこと」はたくさんある。宿題や部活動など、時には自分で選べないものも多い。でも、その中でどう行動するか、どう気持ちを整えるかは自分次第だと思う。キャシーたちは未来を変えることはできなかったけれど、その中で友情を育み、音楽や美術を通じて自分を表現した。私たちもまた、制約の中でいかに豊かに生きるかを試されているのだと気づかされた。
読後、私は「当たり前の日常」がどれほど貴重かを強く感じた。友達と笑い合えること、家族と食事を囲むこと、自由に未来を思い描けること。その一つひとつがどれだけ幸せなことか、この本が教えてくれた。人生は永遠ではなく、限りがあるからこそ輝く。だからこそ私は、時間を無駄にせず、大切な人との関係をもっと大事にしていきたいと思う。
『わたしを離さないで』は、中学生の私にとって難しいテーマを含んでいたが、その分、心に深く残った。自分の未来を考えるきっかけにもなったし、同時に「今をどう生きるか」を問いかけてくれる作品だった。この物語で感じた切なさと希望を忘れずに、これからの日常を過ごしていきたい。
選んだ本:カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』
意外性:定番の夏目漱石や太宰治ではなく、ノーベル賞作家でありながらSF的要素を持つ作品
感想の柱
1. 普通の青春と残酷な運命の対比に心を打たれた
2. 希望と諦めが共存する姿に「強さ」を感じた
3. 制約の中でも人は豊かに生きられることを学んだ
4. 「当たり前の日常」の価値を再認識した
これで1200字程度