10月に続き「私に起きた奇跡」のお話第二段に加えて、一足早いクリスマスの宵、歌のプレゼントが先生から届けられました。

 

振返れば人生は奇跡の連続。そう思えるようになるのは、幾つもの経験、体験をしながら歳を重ね、人生を達観できるような領域に足を踏み入れる頃なのかもしれません。辛くても、心痛めても、どうにか山坂を越えて晩年、静寂な心中に輝く光をみつけたとき、幾つもの奇跡の道程だったと気づくのではないでしょうか。

 

1990年、亡き田村や数名の友人と伴にダライ・ラマ法王や、その頃世界中に名を馳せていたサイ・ババに会いにインドを訪れます。その翌年にバブル崩壊、夫(亡き田村)が物凄い借財を背負うことになります。その後、幾つもの心身病む苦しい経験を強いられ、さらに、傷心の時が続き、免疫力の低下が引き金となり膵臓癌が発見されます。日本でいくつかの病院検査を経てアメリカへ。そこで切除することにより50%の生存確率と診断されます。先生は癌の切除をしないことを選択し、インドで開催されるサイババ絡みの音楽祭へ旅立ちます。現地の水が原因で赤痢となり、1分起きの腹痛と下痢、40度の熱が10日間程続き、毎日ペニシリンの注射を打っていたそうです。

ある日、ホールの床に臥せていると、サイ・ババがやって来て、「これを舐めれば絶対治る」と言って「灰」をだしてくれました。這うように東京へ戻ったそうですが、結果、高熱のおかげで奇跡的に癌は無くなったそうです。癌は熱に弱いのですが、サイ・ババの灰のお陰かも知れません。謎です。

「その時に、自分が後悔しない人生を選ぶか、選ばないかだけです。もし私がインドへ行くことを選んでなかったら、そうはならなかったと思う。それも含めての奇跡です」。人生で起こる奇跡とは、一つ一つの人生の絵模様。気付けば、絵模様は一つの大作、絵画となり仕上がっているのです。

 

会の後半はゲストによるミニコンサート。歌はシェイリー・マリーさん、キーボード演奏者はウォン・ウィンツァンさん。アメイジング・グレイス~アヴェ・マリア~Have Yourself A Merry Little Christmas~虹の彼方に、4曲を披露して下さいました。やさしい音色が開場を包み込み、一足早いクリスマスを迎えることが出来ました。

湯川さん、シェイリーさん、ウォンさん、お客様、有難うございました。

『時代のカナリア』   湯川れい子(著)集英社 1,760円(税込)

 

次週12月8日は時明先生をお迎えいたします。