今週の木曜会は恒例となりました年に一度のご出演、湯川れい子先生でした。

お馴染となった呼び名、元旦の田村が元嫁の湯川先生をご紹介。場内を笑いに包んで、和やかに会はスタートしました。

 

本日のお話は、「真のスピリチュアルな生き方」についてお話いただきました。

それは、「大自然に感応し、静寂の中で耳を澄ませて、聞こえない言葉と音楽の中に、真実の在りかを自分の目と耳と心で探す生き方」です。

 

大自然の脅威を前に人間は無力だと否応無しに突きつけられる自然災害が世界中で起きています。さらに、再生は不可能だと思わざるを得ないほど自然の猛威は年々勢いを増し、生命をあっけなく奪っていような被害ばかりです。

そのような中で、「凄く思い出すことがあります」と先生は語り始めました。

 

 

1989年歌手のスティングがアマゾン熱帯林の奥深くに住んでいる原住民カヤポ族の大酋長ラオーニと初来日して共に記者会見を行います。会見の中で、

「地球の酸素の70%を供給しているのはアマゾンだから、熱帯林を消費してしまうと、自分たちが今感じている恐怖を、やがて皆も感じるようになります。大きな風が吹くようになり、地球が乾燥し、吸う空気もなくなり、薬もなくなる。ブラジルの熱帯林を無駄に切らないで下さい」と訴えます。ラオーニは今も尚、自然破壊への危機感をずっと持ち続け、人間の必要以上の経済行為と戦ってきています。当時は日本が世界で二番目に消費量が多い国だったそうです。

実は、ラオーニは今年のノーベル平和賞にノミネートされていました。

 

2009年、マイケル・ジャクソンのコンサート公演『THIS IS IT』が7月から2010年3月までに全50公演の開催が世界中で予定されていました。しかし、直前の6月にマイケルが急死。その後、コンサートのリハーサルを中心に構成された映像が映画『THIS IS IT』になります。 リハーサルは5月から6月にかけて行われ、マイケルの亡くなる前日までのリハーサル映像が使われました。

「この映画のラストに1995年に作った歌『アース・ソング』が使用されています。映画の中でマイケルは、地球はあと4年しか残されていないと言っています。あれから10年経ちました。マイケルは皆がこの現実の意味に気がついてくれと言っています。スピリチュアルとは、いま身の回りで何が起きているのか?物言わぬもの(自然)と対話が出来ますか?感性が非常に豊かな人達がそういうものを感じ取るということの、一つの証じゃないかなと思います。

音楽にも色んなものがこもっている。亡くなった人の想いがこもっている。祈りがこもっている。絵も彫刻も。スピリチュアリティということをもう一回考えてほしいと思います。神様に祈り、色んな不思議なことが起こるとかではない、もっと深い所にある、私たちの生命そのものが何千年、何万年とDNAの中に入っていて、私たちが既に持っているものに気がついて、それを育てられるような、育児や食事、教育とか全部考えていくことが、真のスピリチュアリティじゃないかと思います」と先生はおっしゃいます。

 

『キング・オブ・ロックンロール』エルヴィス・プレスリー。

1935年1月8日、ミシシッピ州テュペロの小さな家で生まれ、非常に貧しい幼少時代を過ごします。娯楽などなにもない南部の田舎で、教会が唯一の集会の場でした。白人は白人のゴスペルを聞き、黒人は黒人のゴスペルを聞きながら、神というものを身近に感じて生きていました。2歳半の時、連れて行かれた教会で聴いた讃美歌が音楽との最初の出会いでした。道を隔てた側は黒人の居住区で、黒人の歌も聞いて育っていきます。白人は黒人と付き合わない時代に、母グラディスに白人でも黒人でも、年上の人には必ず敬語を使いなさいと教えられます。ここでエルヴィスの魂が育まれていきます。

 

不思議なことにエルヴィスの一人娘はマイケル・ジャクソンと結婚します。

マイケルの大ヒットアルバム「オフ・ザ・ウォール」の後のシングル曲のタイトルがエルヴィスのデビュー曲「ハートブレイク・ホテル」だったそうです。生前のマイケルを最後にインタビューした先生は聞きます。

「私たちエルヴィスのファンにとっては神聖な位大事な「ハートブレイク・ホテル」のタイトルをどうしてあなたの曲につけたの?」

マイケルは、噛みつく位な勢いでじっと目を見つめながら、

「神聖でもなんでもありません。エルヴィスは僕たち黒人の音楽を盗んだんだ」と言います。

「ちょっと待って。黒人音楽がエルヴィスの身体の中にある、血と肉と愛の中にあったから表現出来て、ロックンロールがあったからモータウンという形で黒人音楽がマーケットに出て来れたんじゃないの?」と先生。

「十分じゃありません。まだ黒いスーパーマンはいないじゃないですか?」と

マイケルは答えたそうです。

 

「だからこそマイケルはエルヴィスを抜きたかった。エルヴィスが『キング・オブ・ロックンロール』と呼ばれるなら、マイケルは『キング・オブ・ポップ』と呼ばれたいというのがマイケルの願いだったんでしょうね」と先生は思ったそうです。

 

本日のお話の最大のポイント「真にスピリチュアルに生きる」とは?

ラオーニ、マイケル、エルヴィスと話が続き、彼らがそれぞれの‘生’を通して人々に何を伝えたかったか?

彼らがそれぞれの立場において、それは生命の源である人間の原点が何であるかを伝えていたように思います。そのクライマックスは『(ふつ)(げん)』という一冊の本を紹介されました。先生の話される声には力が込められます。

 

『仏眼』著者は菊池(りょう)(じゅ)(通称:太母(たも))明治41年生まれ。約50数年前に、近い将来を見据えて、地球に生をうけた人間が、大自然の一部としてどう生きるのかを説いた女性です。「全ての人が心眼を開くことによってのみ、地球上の全生命が幸せになることができる」。

先生は木曜会のために一般では購入不可の『仏眼』を取り寄せて下さり、参加者の方々に販売してくださいました。太母のメッセージをお読みになりたい方は少々在庫がありますのでエイトスターまでご連絡ください。

 

先生の最後のメッセージは、本の一節を読んでくださいました。

「万物と感応する機会は、真実と感応する機会を自然の中に、静寂の中に持つこと。そして騒音の中の音楽を聴くこと。」

 

「これだけ深くエルヴィスとかマイケルを知っている人の前で、私は堂々と歌っていたんですね…」と田村。先生は、「許す」と一言。

何故か優しい気持ちになったところで木曜会は閉会いたしました。

湯川先生、お客様、有難うございました。

                              (令和元年 11月7日 古谷 記)