今週の木曜会は出口光先生でした。

出口(でぐち)()仁三郎(にさぶろう)を曾祖父に持ち、神道家の一族に生まれて日本の伝統文化に満ちた環境下に育った先生。幾つかの挫折を体験し、

「人は何を成すためにこの世に生まれてきたのでしょう。環境破壊がすすみ、資本主義が行きづまり、貧困や飢餓に苦しむ人が増えるいま、この根源的な問いに向き合うべき時を生きている」という考えに至りました。そしてライフワークの一つとして、人と人を気脈で結び、次世代を創造するという理念のもと‘メキキの会’をスタートさせます。現在、メキキの会会長、志教育プロジェクト理事長として活躍中です。

2016年6月以来、約3年ぶりのご出演です。

 

まず田村が、

「46歳の時に初めて霊の世界に出合って、次から次と沢山の本を読んでいる中で、出口王仁三郎先生の本を読んで衝撃を受けました。いちばん神道のことを分かり易く書いてあって、感動しました。その曾孫(ひまご)さん、出口光さんです」という紹介で始まりました。

 

今回のテーマは「言霊学」。

 

「言葉って不思議じゃないですか?同じ言葉を言っても伝わる人と伝わらない人がいる。言葉は人を力づけたり、傷つけたり。どうして言葉にパワーがあるのか?ずっと言霊に関心を持って来ましたが、言霊学は諦めていました。」

と話が始まりました。

 

昨年‘メキキの会’が22周年を迎え、明治神宮で参拝をした帰りに「出来る!」と不意に思い、言霊学に取り組み、完成したそうです。膨大な量の言霊学の一部をお話し頂きましたが、特に抜粋してご紹介します。

 

2016年、5か国の言語学者らが3700言語の基本単語を分析し、音には共通の意味があると結論づけました。

また旧約聖書「主が言うと全てが現れた」や新約聖書「はじめに言葉ありき」にあるように、神のみが言葉で世界を創造できる=言葉は神でありました。

 

出口王仁三郎も『言霊の学びは総ての基なり。その他の学びは末なりにけり。世の中の一切万事は言霊の光によりて解決するなり』と言霊を重要視して、言霊で世界を創ることができるとしています。

 

言霊学の祖、空海は阿字本義(『ア』が全ての元であり、一切は『ア』から現われた)を提唱した。『ア』で始まり『ン』で終わる。『アーメン』も然り。神社の狛犬も右に居るのは口を開けていて、左に居るのは口を閉じている。そして「真言(マントラ)は、人と神仏との合言葉」と言っています。

 

古来より日本は言霊の幸はふ国(万葉集)であり、()(とうと)しとなす(くに)だと言われてきました。日本語抜きに、日本の文化の気高さや、精神の崇高さは語れません。

言霊とは初めに音ありき。例えば「コト」の音はとても広い意味があり、漢字を当てはめることで意味を狭め、分かり易くしている。「言」「事」「異」など。

現代人と古代人の言葉観は現代人では言葉⇒形⇒意味ですが、古代人では言葉⇒音⇒霊⇒宇宙です。言葉は根源的には「音」であり、スピリットであり宇宙なのです。

音(コエ・五十音)=言霊で宇宙が創られています。

伊勢に流れる五十鈴川は言霊のことです。AKB48は48人で構成されています。音の重複を取ると48音。言霊は48音という人もいるそうです。秋元康は全ての人に愛されるように48人揃えています。一音一音神様です。赤塚不二夫の「天才バカボン」のバカボンとは「薄伽梵(バギャボン・バガボン)」=仏教用語でお釈迦様の敬称であり、サンスクリット語の「Bhagavan(バガヴァーン)」「Bhagavad(ヴァガバッド)」=全知全能者、覚れる者という意味で“Buddha(仏陀、ブッダ)”と同義語を漢訳しています。

有名なバカボンのパパの言葉「これでいいのだ」“あるがまま” “ありのままを受け入れる”という悟りの境地なのです。

 

江戸時代後期の国学者、中村孝道は「ガ」「ゴ」「グ」「ゲ」「ギ」など(重音)を含めて、言霊七十五声が宇宙を創っていると言っています。言霊学では「火」と「水」から五十音、七十五声が出来、宇宙を創っていると言われています。

 

言霊使いは霊覚者。霊能者は人が見えない物が見えたり、聞こえたりする。

霊覚者は霊を悟る者(自分の中に神があると認識している者)。出口王仁三郎も『神人合一した人間でなければ、言霊を使ってはならない』と色々な所で書いています。

 

これまで言葉(音)を霊と結びつける方法が確立されていませんでしたが、昨年八月にこの方法が見つかりました。

1300年前から伝えられてきた大和魂の構造として、人間には荒魂(あらみたま=勇)奇魂(くしみたま=智)和魂(にぎみたま=親)幸魂(さちみたま=愛)のエネルギーを持っている。その組み合わせの妙が人格である。そして、もう一人の自分である、直霊(なおひ)の一霊四魂がある。

音は一霊四魂と結ばれている。

幸魂=ア、和魂=オ、荒魂=エ、奇魂=イ、直霊=ウ。

 

宇宙は四つの力で動いている。

電磁気力(幸魂=ア)、重力(和魂=オ)、強い力(荒魂=エ)、弱い力(奇魂=イ)。四つの力がバラバラに動いたら宇宙は崩壊します。それを統合的に動かす力が必要です。まだ見つかっていませんが、神道ですと直霊(なおひ=ウ)にあたります。

 

 

最後に先生の言霊分析です。言霊と四魂には対応があります。

(最初のアルファベットが子音、次が父音。父音を一霊四魂に当てはめていきます)

先祖        未来

DE荒魂=エ     HI奇魂=イ

GU直霊=ウ    KA幸魂=ア

TI奇魂=イ     RU直霊=ウ

幸魂=1、和魂=0、荒魂=1、奇魂=2、直霊=2。

和魂がないのですが、‘メキキの会’などで人を繋げたり、努力して不得意を補っているそうです。

 

言霊学は日本精神の最終兵器で、先生は日本の霊統をテクノロジーにして世界に伝えようとなさっています。皆さんもご自身の名前から分析してみたらいかがでしょうか。

 

「何でこんなに物知りで凄い人なんだろうと思って聞いていたら、大学の教授だったんですね。大学教授の天夢での講義でした。また来てください。有り難う御座いました。」と田村が締め閉会になりました。

出口先生、お客様、有難うございました。

                       (令和元年 7月27日 古谷 記)