樋口氏は、研磨盤に数秒から、5、6秒間あてては離し、無心に吸い込まれる深さと洞察する鋭い目で、その磨いていた部分の磨きの状態を何度もチェックする。この工程は、1個のダイヤモンドを完成させるのに1500回以上繰り返されるのであった。

樋口氏は一つ目をいきなり求める完璧なカットを完成させたが、なかなか二つ目ができなかった。
彼のダイヤモンドとの格闘は続いた・・・・。

20年のカッターのキャリアを持つ樋口氏は、新しい考えた方や長年のクセを直すことに素直に従った。
彼の心に少しでも受け入れがたいものが働いたなら、エイトスターは完成しなかったであろう。

こうして、ほんの少しの光の漏れる隙間もない、ガードル部分に特徴のある、独自なダイヤモンドを作り上げていった。

ただただ美しさの実現にだけ、純粋に心を向けること。目的にそって正しいと思った方向・順序で、ただひたむきとなることであり、宇宙で最も硬いダイヤモンドを思いのままに磨くのであるから、最も硬い石よりも、もっと硬い意志で磨くことで、より美しい姿・形をしたエイトスターは完成したのである。

最も強く、最も明るく、最も大きく、最も美しく輝くダイヤモンド。どの角度から見ても、その美しさが変わらない。自分一人で美しさを楽しむばかりでなく、周りの人々をも楽しませる究極のダイヤモンド。

輝きを求めた旅は、完璧な姿・形を持ったダイヤモンドを生んだのである。こだわってこだわって世界の頂点に立ったのである。不信感しか持てずに大嫌いであったダイヤモンドの世界に導かれて、1年と4か月が経ったところであった。求め続けたダイヤモンドが、自分の意志でいつでも、いくつでも磨けることになったのである。

こうして1985年10月世界で初めての完璧なカット 『エイトスター・ダイヤモンド』が誕生した。

カッター樋口氏との奇跡の出会いにより、エイトスター・ダイヤモンドは完成した。
そして、彼は今も現役でたくさんのエイトスターを磨き続けている・・・・・。


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