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私が小学校6年生の時に強烈に影響を受けた漫画がある。
それは本宮ひろ志作の『男一匹ガキ大将』というタイトルの作品だった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B7%E4%B8%80%E5%8C%B9%E3%82%AC%E3%82%AD%E5%A4%A7%E5%B0%86

その出会いは忘れることの出来ないものだった。

親戚の家に夏休みを利用して遊びに行ったときにその漫画と出会った。その親戚の家には私より5歳上と2歳上の男の従兄弟がいたのだが、その従兄弟の本棚にあった漫画を寝る前に借りて、朝までぶっ通しで読んでいたのを思い出す。もちろん一晩では読みきれず数日間泊まっている間中、読みふけっていた。

家に帰ってからもすぐにお小遣いを持って本屋に行き、全巻を揃え、何度も何度も読み返した。世代的にはちょうど5歳上の人達が一番若い世代として読んでいるような漫画だったので私の同年代の人は周りでは当時読んでいなかったと思う。

ストーリーは田舎の漁師の町に生まれ育った『戸川万吉』という少年がひとつの街のガキ大将から全国のガキ大将の大親分になり、挙句の果てには世界のロックフェラー財団みたいな強大な組織と戦うストーリーだ。少年漫画だが企業の乗っ取りや政治的な話もあったり、全国のこじきの親分とか出てきてすごく興味を持った。

何より興味を持ったのは主人公の『戸川万吉』よりもケンカが強かったり人間的に器量がある人間達が『万吉』の子分になっていくところだ。一の子分の『片目の銀次』をはじめとする親分『万吉』に対する思いの深さも強烈に影響うけ、NO2のカッコのよさに気づかせてもらった。

中学3年くらいの時にお金が無くなったときに泣く泣く古本屋に全巻とも売り、それ以来読むことは無かったが今年のお正月に子供達を連れて古本屋さんに行ったときに『男一匹ガキ大将』がそろっているのを見つけて思わず買って帰ってきた。(今は古すぎて古本屋でもまず見かけない)

約30年ぶりに読むストーリーは今思えば子供じみている部分や現実の世界とは違う法律的な事なども沢山あったが一気に読みふけって大変懐かしい思いがした。人間の記憶というのは曖昧で全く忘れていた箇所がほとんどだったが、今でも『このページのこの絵』『この台詞』というようにしっかり覚えているところも沢山あって私が好きな場面や感動したところは鮮明に覚えていたことに改めて感激をした。

いろいろな事を教えてくれた漫画だが特に『正義感』というものを教えてくれたこの漫画に本当に感謝をしたい。そして、二度と古本屋に売ることのないように自宅の本棚に持ち続けようと思っている。