ブリスの自己主張(盲導犬ブリスと犬の気持ちがわからないユーザーとのユニット) -11ページ目

ブリスの自己主張(盲導犬ブリスと犬の気持ちがわからないユーザーとのユニット)

盲導犬ブリスと犬の気持ちがわからないユーザーとの生活・・・

ドイツからやってきた四頭の盲導犬ルティ、アスター、リタ、ボドの話をする前に、世界における盲導犬のルーツとして、特にドイツと日本についての時代背景を、この本から少しだけ離れて記したいと思います。


ドイツの時代背景


第一次世界大戦後、ドイツでは大量の戦傷者が発生しました。その中には、戦場での負傷や毒ガスの影響で視覚を失った退役軍人が多数おりました。

しかしドイツ政府や自治体は深刻な財政難に直面しており、十分な保証(恩給)や年金提供することが難しい状況にありました。これにより、視覚障がい者の自立を支援する新たな方法が求められるようになりました。


【盲導犬育成の始まり】

1916年、ドイツで軍用犬の育成を行っていたハインリッヒ・スターリン博士は犬が視覚障害者を手引きできるのではないかと考えつきました。

同年、彼は盲導犬を専門に訓練する最初の学校をオルデンブルクに設立しました。

この施設では、軍用犬の訓練技術を応用し、犬が視覚障がい者の安全な移動を助けるためのスキルを習得できるよう工夫しました。

当時は、主にジャーマン・シェパードが盲導犬として訓練されました。この犬種は知能が高く、忠誠心が強いだけでなく、訓練に対する適応性が優れていたからです。



【訓練内容】

盲導犬は、障害物の回避、安全な道路横断、指定した場所への案内といったスキルを訓練されました。また、ユーザーとの信頼関係を築くことが特に重視されました。

この時期に確立された訓練の基本原則は、現代の盲導犬訓練にも引き継がれることになります。



【退役軍人への支援】

訓練された盲導犬は、多くの視覚障がいを持つ退役軍人に提供され、彼らの自立した生活を大いに助けました。この取り組みは、戦後社会の再建における重要な福祉施策の一つとなりました。



【国際的な広がり】

ドイツでの成功を受けて、盲導犬の概念と訓練方法は他国にも広がり、イギリスやアメリカなどでも盲導犬育成プログラムが始まりました。

•アメリカ

1929年、アメリカで最初の盲導犬学校「The Seeing Eye」が設立されました。この学校は、盲導犬訓練を体系化し、視覚障がい者に犬を提供する仕組みを確立しました。

•イギリス

1931年、イギリスでも「Guide Dogs for the Blind Association」が設立され、盲導犬の普及が進みました。


【その後の展開】

現在の盲導犬育成の基盤は、この第一次世界大戦後の取り組みによって築かれたと言えます。

そしてさらに、盲導犬は世界中で視覚障がい者の生活を支える重要な存在となっています。

今では各国で盲導犬の訓練や認定プログラムが整備されており、犬種もラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーが主流となっています。

盲導犬の歴史は、戦争や社会的な変化の中で発展してきました。そして現在もなお視覚障がい者の自立を支援する重要な役割を果たしています。