2023.2.26 池袋サンシャイン劇場 | コノミのレポ用ブログ

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ライブレポ用。「なんとなく」で書いてるから実際と違うところがあっても大目に見てね。

⚠本記事はネタバレを含みます⚠
一人芝居に関しては結末まで書いています。
その他のコーナーもネタバレへの配慮ゼロで書いています。
ネタバレは踏みたくない!という方は、ここでUターンをお願いいたします。








2023.2.26
TEAM NACS Solo Project 5D2-FIVE DIMENSIONS 2-
「Hiroyuki Morisaki AGRIman SHOW」
@池袋サンシャイン劇場
OPEN/12:00 START/13:00


最初で最後の開墾だーーーー!!!🍅🥦🥕🌽🥔🧅
前日ブクロックの余韻と疲れと眠気をズリズリと引きずりながら池袋へ……


入場時手渡されたのは、フライヤーとビンゴカード、そして……ジャガイモ?



開演の約15分前、注意事項等のアナウンス。
最初は普通の感じで聞いてたんだけど……
「場内での農作物、牛乳、焼肉などのご飲食はご遠慮ください」
「牛、豚、鶏など家畜類の入場はできません」
「(上演中は非常灯消える話からの)事前に非常口、農道、あぜ道などを確認し、〜」
「出演者への新鮮野菜などのプレゼントはお断りしております」
このセンス好きwwww

さらに5分前にも……
「お席を離れているお客さま、また農作業中のお客さまはお席にお戻りください」
「上演中の携帯電話、トラクター、コンバインの使用は禁止とさせていただきます」
「間もなく開演となります。皆様、畑の恵みに感謝しながらご覧下さい」



«オープニング»
アグリマンショーのテーマ?みたいな曲に乗せて「アグリダンサーズ」が登場。
\アグリマ~ン!/っていうコール部分でダンサーさんが決めてたポーズがとっても美しかった……

そしてリーダー、もとい「アグリマン」が大根と人参を持って登場!
最後の決めポーズのところで大根を一口ガブリ!

ダンサーさんも袖に戻り、リーダーがマイクに向かって話し始めるぞ!と思ったら……
( ˙༥˙ )モグモグモグモグ……
( ˙༥˙ )モグモグモグモグ……
「……ちょっと待ってくださいね(モゴモゴ)」
「歯に挟まりやすい野菜ランキング、1位はニラらしいですね。2位はネギ、3位は豆苗。大根はかなり下の方だけど……それでも挟まりますね(モゴモゴ)」

「……まずは大根をかじるところをご覧いただきました(笑)。」
「みんなスタートからこんなに拍手してくれてありがとねぇ……終わった後にいっぱい拍手してもらうから、それまで取っておいていいんだよ(笑)?皆さんの手が心配で心配で……」
「今日の会場の名前はサンシャイン劇場!すなわちお天道様が輝く劇場!!アグリマンにぴったりな会場ですね!!!」
「ここサンシャイン劇場といえば、僕たちにとっては馴染み深い会場です。2004年のLOOSERという作品で、それ以前は北海道でしかやっていなかった公演を初めて東京で上演しました。当時その公演を地方公演と呼んでいましたね(笑)。あの時は5人だったけど今日は1人ぼっち。北海道の野菜たちを共演者にして頑張りたいと思います。」

「私、よく講演会をさせていただくことがあるんですけど、その度にお話してる言葉があります。それが“生きることは食べること”。そして、これを言い換えると、“食べることを見直せば生きることも見直せる”とも言えるんじゃないかと思うんです。」
(↑話に合わせてスクリーンに文字が映し出されて、本当にプレゼンみたいだ……と思った)

「それでは早速共演者を紹介しましょう。最初の野菜はこちらです!」

スクリーンに「長芋」と大きく映し出され、下手側に置いてある長芋にスポットライトが当たる。
客席から\おぉ~っ/とどよめき。
「なかなかないよね、長芋出てきて“おぉ~っ”ってww」

「長芋は北海道全体が一大産地となっていて、実は日本以外にもアメリカやカナダ、台湾などに輸出もしているんです。特に台湾では“山の薬”と書いて、滋養強壮に重宝されています。特に暑い地域では街中のジューススタンドで使われていて、すりおろしたとろろにレモン汁やリンゴジュース、牛乳なんかを入れてジュースにして飲むそうです。暑くてもしっかり栄養を摂るために使われているんですね。」
「長芋には、ムチンという成分が含まれています。これがかなりイカした消化酵素で、お米とかに含まれているでんぷんを糖に分解するし、マグロとかに含まれるタンパク質もアミノ酸に分解するという、2つの役割を持つんです。だから、山かけってあるじゃないですか。お米にマグロととろろ乗せるやつ。あれは消化効率が良くなって、とっても理にかなった食べ方なんですね。」

「続いての野菜は、レタスです!」
\おぉ~っ/
「……笑」

「レタスという名前は外来語。ちゃんと和名もあって、乳の草と書いて“チシャ”と言います。つまり、ミルクの草という意味なんですね。レタスにミルクってあまりピンと来ない方も多いと思います。消費者側としてはあまり馴染みがないですよね。」
「レタスの収穫はとっても朝早いです。農家さんは朝4時には畑に行って、普通の家庭用包丁で根元を切って収穫をします。この時に、切った断面から白い液体が出てくるんです。これが(名前の由来になった)ミルクというわけです。」
「この液体には、ラクチュコピクリンという物質が多く含まれています。これね、舐めると苦いんですよ!……普通の農家さんは舐めないんですけどね、僕は舐めました(笑)。それで、このラクチュコピクリンには軽い鎮静効果と睡眠促進効果があります。だから風邪をひいた時にはレタスを食べるといい、なんて言う人もいますね。」
「スーパーでレタスを見た時にこの液体がついていると、“腐ってる!”とか“農薬なんじゃないの?”とか思われてしまうことも多いです。でもこれは、農家さんが朝早くに収穫してくれて、それがその日のうちにお店に並んでいることの証拠なんです。」

「じゃあ次はお客さんからリクエストもらおうかな!この辺りの人、なんでもいいので好きな野菜を1つ言ってみてください」
\ネギ!/

「ネギ!……ネギかぁ~……(しばし考えて)」
「北海道には、“越冬春長ネギ”という種類のネギがあります。このネギは5月に種を植えるんですけど、そうすると夏頃にはかなり伸びてきます。そうしたら、そのネギを1回折っちゃうんです!折っても(土に残った方は)光合成を続けるので、根っこの方にパワーが溜まっていくんですね。そしてそのまま、雪の中で冬を越します。春になったら一旦根っこを掘り起こして、ハウスに入れて栽培します。そうして育ったネギを、5月に収穫して出荷するんです。5月に植えて次の5月に収穫する。育てるのに1年かかるネギなんです。」
「ネギっていうのは……皆さん絶対値って分かりますか?真ん中にゼロがあって、プラスとマイナスがいくつで~ってやつ。ネギは、生の状態での辛さの絶対値が、そのまま加熱した時の甘さになります。このネギ、生でかじるととっても辛いんです……!!でも、加熱をするとその分すごく甘くなる。私は贅沢に1本丸々炭火焼きでいただいたことがあります。フルーツ盛り合わせの横にこれがあってもおかしくない、そんな甘さでした」
「皆さんもネギ選びに迷ったら、一回かじってみて辛い方を選んでみてください(笑)。本当に買う前にやっちゃダメだよ!?買ってからやってね」
「スーパーに行くと、(越冬春長ネギが)1本298円で売ってます。隣には普通のネギが4本100円で売られてる。高いですよね……!!でも、高いのにはちゃんと理由があるんです。スーパーに1日立って主婦の皆さんに“奥さん奥さん!このネギね、とっても高いけど1回折って冬を越してね……”と説明したいくらい!」
越冬春長ネギに関するあぐり王国の記事を見つけたのでリンク貼っておきます。もしよければ。

あぐり王国放送内容 | 2012年5月12日

「昨日事務所の社長が見に来てて、このコーナーを“あれ仕込みでしょ?”と言ってました。でも違うもんね。ねーー!(リクエストしてくれたお客さんを見ながら)」
「ネギ来て一瞬ドキっとしたけどちゃんと答えられたもんね!!」
「実は(アグリマンで)ネギの話するのは今日が初めてです。昨日はトマトとかにんじんでした。」

「それでは最後にコチラ、じゃがいもですね~」
と言いながら、マイクスタンドからマイク(だと思っていたもの)をスポンと抜いたリーダー。
えっそれじゃがいもだったの!?

「じゃがいもにはいろんな品種があって、だいたい50種類くらいの品種があります。というのも、新しい品種が開発されたり、去年までは作ってたけど今年はもう作らない、といった品種もあるので、数が毎年若干前後するんです。」
「北海道には何万軒ものじゃがいも農家さんがいます。家族で協力して育てている農家さんも多いです。そこで、こちらの映像をご覧ください。」


«1人芝居「生産者の声」»
実際に北海道各地で家族経営をしている農家さんのコメントが流れたあと、リーダー扮するじゃがいも農家のコメントが流れる。
「ずっと、母さんと一緒に育ててきたからなぁ。こんなに立派になって……こう言っちゃなんだけど、俺の一番の自慢だよ。」

~あらすじ~
テレビが大嫌いで頑固なじゃがいも農家・久保田(森崎博之)。
そこに、1人のテレビ局の女性(百田夏菜子)が取材依頼のため訪れる。
始めはテレビ嫌いと頑固さでテレビクルーを怒鳴り散らす久保田だったが、女性が諦めずにコミュニケーションを図ったことで、久保田は少しずつ息子との思い出を語り始める。
久保田の息子は、小さな頃からテレビ大好きっ子。幼い頃は「父ちゃんの畑を継ぐ」と話していたこともあったが、結局テレビの世界に自身の「夢」を見出し、上京していってしまう。もちろん久保田は猛反対。その反対を押し切って家を出た息子。お互いに気まずく、連絡を取らない日々が続いていた。
そんな久保田の話を聞き、「内緒にしてほしいって言われたんですけど……」と言いながら、テレビマンとしての自身の師匠について語り始める女性。
その師匠は、とある信念を持って自身でテレビ局を立ち上げたのだという。
その局の名前が、「株式会社KB」――そう、この会社は久保田の息子が立ち上げたものなのだ。
そして息子が持つ信念とは、「生産者の声を直接届けるテレビ番組を作りたい。発信者として、実家に貢献したい。」というもの。
息子が父親の反対を押し切ってまで「夢」を追った裏には、実は実家のことを想う気持ちがあったのだ。
思いもよらない息子の想いに驚きつつ、「たまには連絡しろって伝えてくれ」と女性に伝言を頼み、「アイツにじゃがいも送ってやるか……」と荷造りを始める久保田。
作業しながら、独り言のようにこう呟く。
「ずっと、母さんと一緒に育ててきたからなぁ。こんなに立派になって……こう言っちゃなんだけど、俺の一番の自慢だよ。」


~感想など~
・息子に送る用のじゃがいもを箱に詰める時に、「きっとプレゼントしたい人も多いだろ?」と言って1つずつじゃがいもを小分けにしていた。そして最後に緑のタイをつけて……出来上がったのは、なんと入場特典で我々がもらったじゃがいもと同じ包装!!!
・北海道の農家という役だからか、めちゃくちゃガッツリ訛りが出てて、訛り大好き人間としては耳がとっても幸せだった……!!



«ショートムービー「野菜刑事(デカ)」»
~あらすじ~
舞台は取調室。なかなか容疑を認めない容疑者に対し、野菜刑事(森崎博之)があの手この手でアプローチを仕掛ける。
「越冬キャベツはな、値段がつかなくなったキャベツを、農家さんがやけになって雪の中で放置したら、甘く美味しいキャベツになってブランドがついたんだ。……お前も越冬キャベツになれ!」
「カリフラワーはブロッコリーの突然変異なんだ。……お前も突然変異しろ!」
「きゅうりのイボイボはなぁ、外敵から身を守るためにあるんだ。……お前もイボイボ出せ!きゅうりになれ!」

ここまで説得(?)されても一言も声を発さない容疑者。(実際には中の人笑っちゃってたけどww)
「これでも食うか?」
そういって刑事が差し出したのは……
「サラダボウルだ。」
「農家さんが~♪ 有機栽培をして~♪ オーガニック野菜を作ってくれた~♪」
(↑母さんが夜なべをして~♪の替え歌で)
容疑者の耳元で歌い続ける刑事。
やっとここで、容疑者は容疑を認めた。
そして罪を償い、新規就農したという。


~感想~
・替え歌歌ってる時の表情がヤバすぎたwww
・最後取調室を去る時に、「立派にケールをカリフラワーして、アスパラガスしろよ。」みたいな訳の分からないセリフをカッコよく言ってたのが本当にツボで爆笑……www



«BHCS-Big Head Cooking Show-»
エプロン姿のリーダーが登場!
「池袋サンシャイン劇場から毎週生放送!BHCS、Big Head Cooking Show!」
「今回は札幌市民のソウルフード、スープカレーの作り方をお送りいたします!」

「まずは材料を用意しましょう、このどこのご家庭にもある“ホクレンBOX”から……」
何も入っていない箱から、まずはじゃがいもを取り出す。
「この平べったい形はメークインですね。煮崩れしにくい品種です」
お次は玉ねぎ!
「ぴっかぴか~~!パールみたい!これをネックレスにしてお葬式に行きたい!……これはダメだ(笑)。」
次ににんじんを取り出そうとして……
「斜里町の田中さんっていう農家さんが育てている人参がとても美味しくてですね、是非ともそれを使いたいのですが……あれっ」
何度箱を開けても人参が出てこない!
……と、その時。
大きな檻?のようなものが登場!
檻の中にリーダーが火をつけると……
なんと中から人参が登場!
すごいすごい!本格的なイリュージョンだ~~!!

さて、お次は取り出した野菜たちをカット。
半分に切るだけ!くらいのサイズ感がほとんどで、確かにスープカレーは具が大きいけど改めて聞くとちょっとビックリするな……!!と思うなど。
「じゃがいもの皮むきなんですけど、ピーラーを動かしてチャッチャッとやると面倒くさいし指切りそうで怖いですよね!ピーラーで指切ると痛いんですよ~~~~!!!ですからこういう時は、ピーラーを固定してじゃがいもの方を動かすと、怪我の心配なく安全に剥くことができます。……今日は時間がないのでピーラー動かしちゃいますけどね(チャッチャッチャッチャッ)」
「芽が出たじゃがいもも、芽を取れば食べられますので。芽が出ちゃった~と捨てないでくださいね。みんなでフードロスをなくしましょう」
「人参は、収穫されて洗う段階で既に皮が剥けてます!栄養も外側に向かうほど多くなる野菜ですので、ぜひ皮むきをせずにそのまま使ってください。」

野菜のカットが終わり、お次はお肉。
今回は鶏肉を使います。
「こちらも北海道産の鶏肉になります!焼くと皮はパリパリ、身はむっちむち!それにすぐ火が通るんですよ~!ほら!」
フライパンの蓋を閉めてパッと開けると、そこには火の通った鶏肉が……!
こんなにサラッとイリュージョン見せてくるのすご……!!

カレースープを作ったあと、さらに追加材料。
「さっき私がかじった、歯形のついた大根を使います(笑)。」
「カレーに大根?と思われる方も多いと思いますが、今回はスープに醤油が入っていて、和風の味付けになっています。そこに大根を入れると、おでんみたいになって合うんですよ~!」
そんな話をしながらオープニングで使った大根をリーダーが手にすると、続いて大きな台とその上に横たわった女性が登場。
女性の上に大根を置き、大根と女性の身体を鉄板でカット!完全に切れてる……!
でも鉄板を抜くと全て元通り!
「私の歯形のついた大根を、切って戻してからまた切るという……笑」

最後に野菜を電子レンジで柔らかくし(これも栄養が流れ出ず野菜の美味しいところを全て入れるための工夫)、スープと合わせて完成~!



«ショートムービー「詰め放題の男」»
~あらすじ~
道端の野菜直売所のような場所で行われている、野菜詰め放題でのお話。
店員から渡された袋に、詰められるだけ詰めるスタイルのもの。
4~5人の男女が並んでいる中、一人異様に気合を入れている男(森崎博之)がいた。
その男の順番が回ってきて、袋を受け取る。
そして人参を手に取り、「ぬおおおおぉぉぉ!!!!」という雄叫びと共に袋に入れる。
……その勢いが強すぎて、そのまま袋が破けてしまい、1つも野菜を持ち帰ることができずにラウンド1が終了。
列に並び直し、ラウンド2、ラウンド3……と回数を重ねていく。
人参をじゃがいもに変えてもダメ。
野菜を入れる前に、袋を開こうとした時点で破いてしまったこともあった。
自身で持ち込んだ袋に詰めようとしたら、店員にブチギレられて追いかけ回された。
そして、かれこれ5回目の挑戦。
お金を払い、袋を受け取ってみると……
もうそこには、一つの野菜も残っていなかった。
絶望する詰め放題の男。
それを見かねた店員が、辛うじて残っていた唐辛子を1つ差し出す。
それを丁寧に袋に入れ、持ち帰ったのだった。


~感想~
・大声活かしたキャラ出てきたのさすがすぎるwwww
・最後、唐辛子だけが入った袋を振り回して帰る後ろ姿がとっても可愛かった……!!



«1人芝居「人がマイクを握る時」»
~あらすじ~
「マイク」という1つのアイテムを通して、家族の人生を描いた物語。
主人公・平田(森崎博之)の結婚披露宴で物語は幕を開ける。
人前が苦手で、マイクを前にしどろもどろになる平田。それでも妻への愛と決意を述べ、新郎挨拶を終えた。

そして夫婦に、一人娘ができる。夢の花が咲きますように、と願いを込めて「夢花(ゆめか)」と名付けた。
そんなある日、親子3人でデパートに出かけた際に夢花が迷子になってしまう。
迷子センターに館内放送を入れてもらったが、居ても立っても居られなくなった平田は館内放送のマイクを取り、夢花に必死に声を届けた。
そのデパートで夢花が欲しがったのは、マイクのおもちゃだった。

それから数年。
夢花は歌うのが大好きな女の子に成長。あの時買ってもらったマイクのおもちゃで、父親である平田に歌を聞かせて遊ぶのが好きだった。
しかし、そこに母親の姿はない。事故で他界してしまったのだ。
マイクのおもちゃを買った時の話から母親の話をした平田。母親がいた頃を思い出したのか、夢花は「ママとお風呂に入りたい」と泣きだしてしまう。
「お風呂にマイク持っていこうか!お風呂がステージで、パパはお客さん役!コンサートしよう!」と宥め、なんとか入浴させることができた。

十数年後。
平田は、勤めている会社の「西新宿支店」の部長を務めることになる。
そのお祝いにと、後輩たちに連れられてカラオケへ向かった。
しかし「歌はダメだから」とマイクを頑なに握ろうとしない。
そんな平田に、部下が家族のことを聞く。
実は夢花には婚約者がおり、平田にも挨拶は済ませているのだという。
しかし、婚約者が北海道で農家を営む冴えない青年であることを理由に、素直に賛成できないことを話し始める。
あまりにも言葉に熱が入ってしまい、その場は楽しいとは言い難い空気に……

さらに時間が経ったある日。
ついに、娘・夢花の結婚式の日が訪れた。
そこで新婦の家族を代表し、再び披露宴のマイクの前に立つ平田。
最初は結婚に反対していたこと、婚約者が育てたトウモロコシを送ってくれたこと、それを食べて結婚を許せる気持ちになったことを素直に話していく。
そして、「歌はダメなんですけどね、」と言いながらたどたどしくギターを弾き始めた。
それは、夢花がマイクのおもちゃで遊んでいた頃、夢花に「パパも歌って!」と言われた時にいつも歌っていた歌だった。
夢花が産まれてきたことへの喜び、嫁いでいくことへの寂しさを綴った、オリジナルソング。

人がマイクを握る時、必ずそこには誰かの「想い」がある。


~感想~
・ただ「農家はいいぞ」「農産物はいいぞ」って言うだけじゃなくて、農家を良く思わない都会の人っていう切り口からの芝居があることが意外でとてもよかった。マイクっていうアイテムのチョイスもなんだかちょっと意外。
・同じ「結婚披露宴での挨拶」っていう場面設定でも、自分が新郎の時と新婦父親の時で言葉選びとか話し方とかが少しずつ違ってて、特に後者は今までの年月とかその中で経験してきたことが見えてくるような感じがして、細かい部分へのこだわりを感じた……!
・下荒井とかの家族に関する過去作品は「子ども目線」が多いのに対して、最近NACSメンバーが作る家族ものは「親目線」が圧倒的に増えた印象。単純に年齢もあるだろうし、みんな実際に結婚して子どもができたっていうのも大きいんだろうなぁ……とぼんやり考えながら見てた。



«ドキドキ!ビックリ!ビンゴ大会»
「人がマイクを握る時」が終わった直後、急に明るい映像とBGMが流れ出し、のぼるさんのアナウンスが流れる。
「皆さ~~~ん!ここからはお楽しみ、ビンゴ大会のお時間で~~~す!入場時にお配りした、ビンゴカードをお手元にご用意くださいね~~~~!」
「1列ビンゴが揃ったら、ビンゴ!と大きい声で言って立ってくださいね!一番早くビンゴした方には、アグリマンから素敵な商品がありますよ~~~!!」

そしてアグリマンも登場。
「お芝居の余韻どうしたんだってねぇ(笑)。」
まぁ本公演のカテコだって余韻もへったくれもないですから……これがNACSの通常営業だと思います。笑

今回ビンゴに使うのは、アグリマンお手製のビンゴシステム。
「フリーザーバッグに紙入れただけですけどね」
前方ブロックにいるお客さんに紙を引いてもらうシステムで抽選を実施。
「一応こういうご時世なので、ぐちゃぐちゃーっと混ぜるんじゃなくて、最初に手に取った1枚をパッと引いてくださいね」

それでは早速、ビンゴ大会スタート!
「1列揃ったらすぐに立ってくださいね!たまにリーチで立っちゃう人いるんですけど、1列ちゃんと揃ってから立ってくださいね~!」
……とここで、隣の席の人とビンゴカードの数字の配置が同じことに気づく。
でも反対側の隣の人とか前の列の人とかは配置違うし、まぁ何かの偶然かなぁと思いスルー。
てっきりビンゴ大会の勝者は1人だと思ってたから、この時点で私がビンゴすることはない、もしくはお隣さんと同時ビンゴになるんだなぁとぼんやり考えていました。

お客さんに5〜6枚数字を引いてもらい、ビンゴ達成者はゼロ。
「あれぇ?皆さんビンゴまだですか?じゃあ今度は僕が引きますね~」
アグリマンが指を鳴らし、数字を引く。
「54番!」
その瞬間……
\ビンゴーーーー!/
なんと全員起立!!wwww
そう、ビンゴの勝者は全員、よってプレゼントも全員に贈呈という超平和設計!!

ちなみにプレゼントは、先ほどリーダーが作っていたスープカレーのレシピ。
レシピが書かれているサイトのQRコードが終演後に掲示されるタイプでの配布でした。



«ショートムービー「野菜美容系YouTber ヤサ子」»
~あらすじもクソもないのでいきなり感想書くよ~
・出てきた野菜とその効能としては、ケール(唇ぷるぷる)、ルッコラ(髪の毛ツヤツヤ)、きゅうり(美白)だったかな?きゅうり以外全く自信ないので違ってたら教えてほしい。
・なぜか時々女装リーダーが亜樹ちゃんに見えるタイミングがあって面白かったw
・つけ爪的なものをつけてたんだけど、あれいわゆるネイルチップじゃないよね!?ww なんかすごいペラペラに見えたし、途中で野菜食べてる時に爪取れちゃって爪ごと食べかけてたのマジで笑ったww
・ヤサ子を演じてるモードから、カットがかかって思いっきりおっさんボイス(おっさん言うなw)になる瞬間まで入ってて「編集した人天才か??」ってなった!w
・最後に「今日紹介したお野菜は概要欄に載せておくので~、」って言ってて、そういうとこはちゃんとYouTuberするの腹立つww(褒めてます)
・『使用した野菜は後でスタッフが具だくさんスープにして美味しくいただきました』



«1人芝居?「農耕あぐ夫」»
あんまりリーダーが弾き語りしてるイメージがなくて、しかも「人がマイクを握る時」でめっちゃたどたどしくギター弾いてたから、こっちですごく自然にギターかき鳴らしながら登場してきたのとギャップがすごすぎた……

服もキラキラだしサングラスかけてて、陽気なおじさんって感じのキャラクター。

「普段はね、新宿ゴールデン街で流しやってるんですよ~!そのお店にアグリマンって奴が来てね、ぜひ舞台でやってほしいって言われたので来ました!」

「ちなみに昼間は野菜の行商をしています。この間、野菜持って飛行機乗ることがあってね、レタスだけ置いていったんです。なんでかわかるかな?」
「飛行機は“はもの”(刃物/葉物)禁止だからね!あっはっはー!」(ジャカジャカジャン)
……ギター漫談??

って感じで、ダジャレめいたネタが数回続いた後……

「皆さん、食料自給率って聞いたことあります?」
「今の日本の食料自給率は38%。ここ10年くらい、38%をずっと維持しています。」
「俺らが生まれた昭和40年代は70%。そこからどんどん下がっていって、40%を切ったところで“そろそろやばい!”となって。俺らの世代が自給率を下げたんです。じゃあ次の世代に引き継ぐ時にどうするか。このまま下げっぱなし?維持する?それとも上げる?」

という導入で、国産野菜を守ろう!というテーマのオリジナルソングを熱唱。
・太るか痩せるかで食べ物を判断するな
・そこにある安い野菜、どこで生産されて何日かけて届いたもの?
・隣の野菜はこの地域で育ったもの。高い?でもそれが適正な価格なんだよ

最初の方であったレタスの話でも「地域の農家さんが朝早くから収穫して、それがその日のうちに運ばれてきた証拠」っていう話があったけど、それと繋がるものがあるなぁ……と思いながら聞いてた。



«ショートムービー「野菜催眠術師」»
~あらすじ~
野菜嫌いの子どもに特化した催眠術師、人呼んで「野菜催眠術師」。
今日も野菜催眠術師の元に、悩める親子がやって来る。
始めは「ピーマンの苦みを感じなくなる」といった程度だった催眠術が、回数を重ねるごとにエスカレート。
「きゅうりの瑞々しさ、そして歯ざわりを美味しいと感じるようになる」
「トマトの酸味と甘味の絶妙なバランスに気づく」
「○○の成分による△△が~」(もうこの辺から固有名詞覚えてない)
母親が感動を通り越して恐怖を感じている隣で、娘は子どもらしからぬ食リポをしながらドヤ顔で野菜をかじる子どもになりましたとさ。



«1人芝居「最後の搾乳」»
「本日最後のお芝居です。」
「お芝居に入る前に、一人の酪農家さんを紹介させてください。小川文夫さんという方です。浜頓別で長年酪農を営むと共に、“命の授業”という授業を開き、命の大切さを子どもたちに伝えています。私もこの授業を受講しました。この授業がなければこんなに長く農業に携わらなかったかもしれないと思うくらい、私にとって師匠のような方です。」
「この小川さんが、2022年9月13日をもって酪農から卒業することを決められました。これを聞いて、僕の後輩――オクラホマの藤尾くんにお願いして、“酪農家最後の1日”を取材してもらいました。彼がYouTubeで“いろひろい”というチャンネルをやっていて、そこに動画が上がっています。」(スクリーンにサムネ映る)
「僕は藤尾くん自体は嫌いだけど(笑)、藤尾くんが作る作品は大好きなんです。」
(今まで藤尾さんって「なんか変な人」くらいの印象しかなかったけど、この話聞いて、きっと良くも悪くも純粋で素直な人なんだろうなぁと思った)

「藤尾くんが作ってくれたこの動画を原作にして、お芝居を作りました。」

あらすじはきっと私の駄文より原作の動画を見てもらった方が早いからリンク貼っておく。
酪農家最後の日~世話になった『牛の命』をいただく~

乳牛も最終的には出荷されて食用になるって初めて知った……
「私の都合で命を早めてしまった」ってセリフが特に印象的だった。
(ちなみに観劇した数日後に出た、酪農に関するとあるニュースのリンクも貼っておきます。あくまでこれは観劇レポだからこのニュースへの感想は書かないでおくけど、このお芝居を見た後だからこそ感じるものがありました。ありがとうアグリマン。)
乳牛を食肉処理すれば補助金…減産方針に酪農家困惑(MBS NEWS)

終盤、子どもたちに命の大切さを説くのを遮るかのように出荷トラックの音がする演出が本当にすごかった……

命は尊い、無駄にしてはいけない、と子どもたちに熱弁してきたことと、自分の都合で牛たちの命を本来より短くしてしまうことの矛盾というか葛藤を感じた。

あと正直言うと、この短い尺でやるにはもったいない題材だったと思う……
時間が限られてるから要所要所を切り取ったように見えて、ダイジェスト版って感じというか、ちょっと物足りなかった気がした。(あくまで個人的意見)



«エンディング»
「ハリケーンマーチ」と「そんなのNACS応援歌」をそれぞれ野菜ver.に替え歌。
\フレー!フレー!や!さ!い!/

オープニングではダンサーさんだけだったアグリマンショーのテーマソングを、最後にリーダーと一緒に披露し、本編終了!



«アンコール»
燕尾服?スーツ?姿のリーダーと、ステージにはミニテーブルにグラスの水1杯、そして椅子1つ。

「すごい拍手……!これで大根おろし作れそう!」(??)
「拍手の圧がすごい!」

「今回はFIVE DIMENSIONS 2という企画のトップバッターを、アグリマンショーという舞台で務めさせていただきました。もうね、トップバッターとしては大暴投だったと思いますw」
「最初にアグリマンショーやります!って発表した時には詳細が一切分からなくて、“アグリマンって何?”って感じだっただろうに……(笑)。分からないままチケット取ってくださって、ありがとうございます。」
「一番可哀想なのはね、お友達に連れてこられた人(笑)!!」
「それでもね、この東京公演、2階席も毎回半分以上埋まってて……2階席の人遠かったでしょー?でも俺顔デカいから!見えたでしょ??w」

(5D2の概要を改めて説明した後)
「私のことは2時間たっぷり見ていただいたからいいとして……他の4人、皆さんご存知ですか?」
「もうね、みんなバカです(笑)!掛け算もできないバカが4人……説明しますと、“変態、残念、モジャ毛、魚”です」
「音尾くんは最近金髪にしたので金魚と言われたりもしてるらしいですね(笑)。」

「5D2の2番手は戸次くんです。こいつが特にバカでね~!」
「“幾つの大罪”というお芝居を4月からやります。こちらもよろしくお願いします。」
「残り3人も順番に公演をしていって……最後にはまた、5人で舞台に立つんじゃないですか!?」
(今までと同じ周期なら2024年に本公演だから……これはフラグ来たか!?)

「と言いつつこのアグリマンショー、大阪・札幌をこれから巡ります。大阪は1400人入る会場で、初日に昼公演と夜公演、2日目に昼公演があります。この夜公演がまだチケット残っております……!大阪の人は早く寝るんですかね?笑」
「札幌は1500人も入る会場で、2日間とも昼公演があります。そしてなんと、どちらもチケットが残っています!!札幌の人は昼でも寝てるんですね(笑)。」


「最後に、雪の話をさせてください。……その前にちょっと水飲ませてね」(コップの水を一口)
「北海道は、本当に雪が多いです。11月くらいからもう降り始めるので、半年くらいは雪が降っていることになります。雪の季節は本当に地面も空も真っ白になるんです。そこから雪が溶けて、春の息吹を感じられるようになって。そして夏は色とりどり、秋は紅葉。この、北海道の色の変化が僕は大好きなんです。」
「しばらく稽古で東京にいましたけど、その期間中にも雪を見ることができました。でも北海道と東京の雪はちょっと違う感じがしますね。東京の雪はこんな感じ。」
手に持っていた白い紙をちぎって投げるリーダー。
以降、紙をちぎっては投げ、ちぎっては投げ、を繰り返しながら話を続けていく。
「月に1回、ハナタレナックスという番組の収録で4人が北海道に帰ってきます。それを僕が“おかえり!”と迎えるっていう。冬に帰ってくると、“やっぱり北海道は寒いね” “でも、この白い景色と寒さに背中を押されてる気持ちになるんだよね”と話しているんです。バカのくせにそういうことは言えるんです(笑)。」
「僕は祖父が農家をしていまして。農作業の合間に、よく畑で一緒に遊んでもらっていました。雪が降っている時には、降ってくる雪を手に乗せる遊びをするんです。そうすると手に乗る一瞬だけ、雪の結晶が見えるんです。雪の結晶は、どれ1つとして同じ形がないんですよね。」
ここでさっきまでちぎっていた紙を広げると、綺麗な雪の結晶のような切り絵に……!

「そんな雪ですけど、元は水からできてるんですよね。」
そう言うと、さっき広げた切り絵をコップの水に浸して、取り出して手の中へ。
すると……
リーダーの手の中から粉雪が飛び出して舞い始めた……!

「農耕あぐ夫」さんあたりからだんだん規模の大きい話になっていって、ちょっと困惑していた部分もなかったわけではなかったんだけど、最後の最後に、やっぱりリーダーは「北海道の人」なんだなと思えたのがすごいよかった……


~カーテンコール~
今回のカテコはこの1回のみ。

「ありがと~~!みんなあったかいね~~!!……もう、大好き」

(↑「大好き」の言い方がボソっと言う感じで、気持ちがぽろっと漏れた感じでなんだかグッときた……!!)


「(アンコールの雪のイリュージョン)綺麗だったでしょ~?綺麗なの見てそのまま終わってほしかったのに!笑」


「北海道の農業には俺がいる!いつか自分の料理番組や農業番組が全国放送になることを目指して!本日のご来場!ありがとうございましたーーー!!!」



最後におまけの話を2点。
・帰宅してパンフレットを読んでいたら、イリュージョンについて「本物のホルスタインを連れてこようか?という案もあったけどさすがに劇場の決まり的に厳しい……ということで断念しました」的な話が載ってて、開演15分前にあった「家畜類の入場はできません」ってアナウンスとちょっと繋がってて笑ってしまったww

・入場特典のじゃがいもは、後日じゃがバターにしていただきました。美味かった。