2019.11.23 東京理科大学 | コノミのレポ用ブログ

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ライブレポ用。「なんとなく」で書いてるから実際と違うところがあっても大目に見てね。

自分用講義メモ!これを読んだ他の人がわかりにくく感じても責任は取らない!

✄------キリトリ------✄

2019.11.23
東京理科大学葛飾地区理大祭
QuizKnock須貝駿貴講演会@東京理科大学葛飾キャンパス
open/12:30 start/13:30

「ナイスガイが教える超伝導とは?~超伝導への誘い(いざない)~」



服装は白のタートルネックに黒のジャケット、黒いスキニーパンツ(地味に遠かったから正確にはわからない)。足細い……てか全体的に細い……



[自己紹介etc]
・「I'm須貝,and nice guy!」ってアメリカで言ったら通じた(笑)。

・学部は教養学部。ノーベル賞の大隅先生と同じ。でもそのノーベル賞の研究をしていたのは東大ではない。なのにキャンパスにでかでかと「祝!」って横断幕があって…なんと図々しい(笑)。

・理科大は結構身近。自分の研究室にいつも(どの年度も)理科大から来た子がいる。

・理科大のキャンパスに来るのは初めて。図書館棟がアメリカの大学みたいな建物ですごい。



[1.超伝導ってなに?]
「たぶん次の章が難しいので、最悪そっちで寝ても理解できるように(笑)、この章で話していきたいと思います」

超伝導→ヘイケ・カマリン・オンネスが1911年に発見、報告。

オンネスは世界で初めてヘリウムの液化に成功(1908年)。
それまでヘリウムは「永久気体」だと思われていたが、4.2K(-269℃)まで下げると液体になった。
ちなみにその後、オンネスは容器の気圧を下げることでヘリウムを1K(-272℃)まで下げることに成功。
これによって様々な物質を冷やせるようになり、物質の性質(物性)の研究が始まった。

金属の抵抗は温度によってゼロになる?有限に残る?
→どっちなのかによって電子の動きが異なるので、これが分からないとどの理論で考えていけばいいのかわからない。
プラチナと金を冷やして調べてみたところ、有限に残ることがわかった。
しかし、調べたものが2つだけでは金属全てに通じるとは言えない。そこで水銀でも実験をしてみることにした。
すると、4.2Kまで冷やすと急激に抵抗が下がり、ゼロになった。機械の故障だと思い何度も実験したが、何回やってもこの現象が再現された。
その後、同じ現象が鉛やスズでも確認され、オンネスはこれを「超伝導」と名付けた。

普通、金属の中を電流(電子)が通る時は、不純物に引っかかって一部は熱として逃げてしまう。スマホを使いすぎると熱くなる理由もこれ。
しかし超伝導状態では、すごい勢いで電子が通り抜けていくため、不純物などお構い無しな状態になる。だから抵抗ゼロで初めに流した電流が減ることなく通っていく。

マサチューセッツ工科大学が行った実験で、超伝導物質のリングを作り電流を流すというものがあった。すると、2年半もの間、電流が減ることなくリングを流れ続けていた。(超伝導すごい!)

超伝導にはもう一つ特徴的な現象が見られる。それが「完全反磁性(マイスナー効果)」というもの。文字通り、磁石に完全に反発する。

超伝導の応用の例が、リニアモーターカーとMRI。

ここからリニアモーターカー乗ったことある人、いる?って話になったんだけど、1人だけいた!Σ(゚д゚;)
「いつもだったら“いないですね”って言って先進むのに!いた!!」



[2.超伝導は壊れかけが面白い]
超伝導状態の物質は、温まっても常伝導に戻るが、温度に関係なく磁場を与えても常伝導に戻ってしまう(水が温度に関係なく圧力によって状態変化するのと同じ)。すなわち磁場をかけると超伝導が「壊れる」。

また、磁場を与えた時、その周辺には電流の渦が発生する(中学校で習う、導線に電流流すと周りに磁場ができるのと同じ感じ)。これが発生した状態で電流を流すと、電気抵抗が発生する。また、それと同時に、磁場を与えた時にできる「超伝導の穴」、すなわち電流の渦が動く。
電気抵抗が発生する理由も研究対象になっているが、ナイスガイ氏的には渦が動く理由の方が気になる。

超伝導の「壊れかけ」を調べることは、超伝導の「できかけ」を知ることにも繋がり、超伝導の発生の仕組みも判明するかもしれない。

渦が動く仕組みを判明させるために、渦にかかる力の正体を調べた。
50年以上前からこれについては議論がなされており、「電磁気学的な力」(フレミングの左手の法則)派と「流体力学的な力」(野球でカーブがかかる原理と同じ)派に分かれていた。
しかし、この2つの合力が渦を動かしていることを解明した。(まってナイスガイ想像以上にすごいことしてた)

また、渦がないところには力が働いていないという結論も得られた。当たり前のことじゃん!と思うかもしれないけど、当たり前のことが結果として得られたってことは、その前の当たり前じゃないこと(今回で言うと合力が渦を動かしてること)も正しいことが証明できる。逆に当たり前のことが得られないと、「実験してないじゃん、計算で出てきただけの机上の空論でしょ?」と言われてしまう。



[3.どうして超伝導をやってるの?]
「面白いからです!」

学部3年生の時にした実験で、実際に金属の抵抗がゼロになる瞬間を目にし、感動したことがきっかけ。

本当は物理学部に進みたかったが、成績が足りなかった。「僕のせいじゃなくてこの悪の制度が悪い(笑)!」

その時、駒場に数学や理科を全体的に使って学べる学部があると知る。高校では理科4科目全部やるコースにいたり、今も大学院生とYouTuberを両立したりと、「全部やりたい!」となるタイプだったので、とても魅力的に思った。


スライド「異分野の専門家のみなさん!共同研究しましょう!」

ナイスガイ「何言ってんだ、研究職でもあるまいし…って思うかもしれませんが」

実は、超伝導の大事な理論である「BCS理論」を完成させた人の中の1人は、専門が超伝導ではない人だった。このように、異なる分野の専門家が集まることで研究が発展することがある。これを学際化と言って、最近増えてきている。
例えば、物理学の観点(電子の動きとか)から生物について明らかにしようとすることもできる。

「それを実現したのがこの人なんですけど……(ヨビノリさんの画像を出す)みなさん知ってます?知らないよね〜(笑)」

今日この場には、専門が違う人がたくさん集まっている。皆さんの専門分野と別の分野(あわよくば超伝導)を組み合わせて、新たな何かが生まれると嬉しい。それが今の自分の野望。

✄------キリトリ------✄

[メモ]
・「不純物」を言うのに英語で言ってから「日本語だとなんだっけ……」ってなってた。研究者感あるなーw

・「自分は実験とかはしない、理論物理学者」(だから計算がメイン)

・超伝導の分野にも方程式はあるけど、それ自身からパッと求めたい値が出るわけではない。紙とペンでガリガリ計算して、コンピュータが理解できるところまで式変形する。式変形が済んだらやっとパソコンにプログラミングして、「これ計算しとけよ」ってして帰る(笑)。

・電線を超伝導物質にできれば、電気抵抗がなくなるから発電した電気をフルでそのまま流せて、エネルギーの節約になって、エネルギー問題の解決にも繋がるかもしれない!
「こういうことを言って研究費を貰っていますw」

・学部生時代の実験の写真について。
「これ僕が作った超伝導物質です。小指の爪くらいの大きさなんですが……方眼紙を敷き忘れるっていういかにも学部3年生らしいミスを犯してますね(笑)。」

・卒業研究で「一高賞」(1学部で6人しか貰えないすごい賞)貰った話もしていた。
「記念の盾も貰ったんですけど、今年の五月祭に好きなアイドルが来た時に、“他の人(観客)より目立ちたい!個性を出したい!”と思ってその盾を持って行きましたw」

・最後の「学際化」の話はすごい刺さったなぁ…既に極めたい分野が決まってるからかもしれないけど、これから自分がするであろう研究が、今はまだない新しい概念やアイテムを生み出すキッカケになるのかもしれない!と思ったらすごくワクワクしてきた。心理と超伝導って一番交わらなさそうだけど。なんかできるのかな。