冬まつりは昨年も行った。それは本当だったら思う存分味わいたかったことの思い残しを少しでも片付けることができればという思いからだった。
そして昨年4年ぶりに旭川を再訪し、それを果たすことができたと思っていた。だからもう十分だろうと自分の中では整理がつき始めていた。
けれども前週に笠間稲荷神社を訪れた時に、忘れかけていた記憶を取り戻すという体験があって、もしかしたら、まだ何かがあるかもしれないと思うようになった。
それは行ってみないとわからないことだ。少しでも心にひっかかるものが残っているのであれば行くしかない。
こうしてまた旭川へと向かった。真冬のシーズンは3度目の訪問だ。もしかしたらこれが最後になるのかもしれない、そんな思いも交錯する。
会場に到着し、メインステージの前に立って見上げる。5年前に初めて来たときと同様に巨大な雪像がバックにあり、様々なイベントが展開されている。
昨年4年ぶりに訪れたときは多分に感傷的な気分になったけれど、今回それは薄まった。なので考えてみた。
5年前の時、そこにあったものが、封鎖された数年間を経て、再び戻ってきた。けれどそこにあったものは、待ち焦がれ、追い求めてきたものなのか?
もしかしたら、今目の前に映っている光景と同じ光景が、別の見え方をする世界もあったのではないか。
求めていたのはそれではないのか。けれど冷静になれば、もはやそれはないことは自明だ。かすかに感じた最後の姿がおぼろげに浮かび上がってきている気がする。
しかしそれはなかなかはっきりしてくれない。まだ終わらない旅路ようにも思えるし、もしかしたら引き返すことも必要なのかもしれない。


