「フェリチタ!」を観た。ジャケットがまずオシャレでカッコいい!

ヨーロッパのセンスなのか色使いが背景と文字と服装でマッチしていて構図もいい。このジャケットに惹かれて観た人も多いのでは。

配信で映画を観る人が増えたこの時代ジャケットにこだわるのは今まで以上に重要だと思う。


最初とは別の機能を持ってくるシーン=伏線

この映画、81分と短いのだが伏線と回収がすごくコンパクトにまとまっていて脚本が素晴らしかった!

まず作り話から始まる掴み。これだけでもこの家族の関係性をエンターテインメントに描くことに成功している。

 

しかし、それだけでなくこの作り話が後半で「あの話は作り話か?真実か?」というサスペンスを生み出す伏線になっている。
 
このように一つのシーンが最初と後で別の機能をもってくるいわゆる伏線、は他にもたくさん出てくる。例えば、
 

父親がコンポのボリュームを上げた茶目っ気の演出が、後半でぬいぐるみが捨てられるきっかけになったり

母がぬいぐるみを持って帰ってあげる理由が前半の娘の様子や、やりとりのなかにあったり

泳げない母親のくだりは海水浴での一家団欒を描く中にあったり
 


そしてラストの落としてからあげるテイク2の伏線は娘との朝食でのだる絡みにあったり。
 
ここは父親が警察に捕まってちょっと嫌いになりそうになったこの映画への気持ちを伏線回収の感動で倍返しにポジティブにしてくれた。
 
 
ポジティブでもネガティブでも人の感情を動かすには伏線が重要だと実感。
 
 
あと腕に身長のタトゥーほるアイデアも父親の娘への愛情と空白の謎を生む二つの機能を持っててすごいよかった!
 
 
 
屋根裏は結局何だったの?と引っかかる人もいるかもしれないがそこはグレーでもいいと思う。こういうコンパクトな映画では大事件とか起こさず、あまり話のスケールを広げすぎない方がバランス良く現実味も保たれて面白い。
 
後半の父親が凶行に走ってしまうシーンも妄想の出来事であることで、映画に刺激的な要素をいれつつ心地いい世界観を壊さない効果があったように思う。これもあらかじめ前半で、娘が父親に片付けを手伝う選択をせまられて先の展開を妄想する、という伏線があったからこそ説得力をもったシーンになっている。
 
しかも前半ではその妄想を映像的に映していないのが後半のミスリーディングを誘っていて素晴らしい。「どうせ妄想なんでしょ」と観客にパターンを悟られにくい伏線の張り方がスマート。
 
逆にパターンで言うと、妻が脅しの作り話をするところでは、「はいはい作り話パターンね」と予測させやすい流れを作ってあとから別の意味をもたせるという読ませやすいパターンの繰り返しをしてそれを裏切る(結果的に裏切ってないのだが)ということをしている。
 
 
本当にパズルみたいに伏線が後に機能していって全く無駄を感じないストーリー。
 
でも伏線を張るシーンも機能的になりすぎず、複雑な環境の中での家族の絆を描き出す一つのテーマに向かっているからしっかり温かみを感じさせる。
 
キャラクター設定から外れるような不自然な言動で伏線を張られるとすごく冷めるがそれもない。
 
 
てな感じで一つ一つの伏線のメカニズムはなんとなくわかってきたが、自分がストーリーを作る上でどんな順番で何から決めていけばこの複雑にからみあった伏線の設置と回収をできるのだろうか、、? 考えたら頭痛と吐き気がしてきたのでそれはまた今度、、
 
 
一応imdbから技術仕様↓
 
Aspect Ratio  2.35 : 1
Camera  Arri Alexa Mini (with Zeiss GO lenses)