二十日鼠と人間 | 映画を観よう

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二十日鼠と人間
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アメリカ

ゲイリー・シニーズ、ジョン・マルコビッチ、レイ・ウォルストン、ケーシー・シマスコー、シェリリン・フェン


監督:ゲイリー・シニーズ 『マイルズ・フロム・ホーム』

脚本:ホートン・フート  『バウンティフルへの旅』

原作:ジョン・スタインベック 『エデンの東』、『怒りの葡萄』


【ストーリー】

大恐慌時代のカリフォルニア。服が破れて助けを求める女性と逆に走り去る男が二人。女性の悲鳴で男二人を追う大勢の男達。逃げる二人の男は、ジョージ(ゲイリー・シニーズ)とレニー(ジョン・マルコヴィッチ)。頭の切れて物知りなジョージの機転で、運良く逃げ切れた二人は、次の農場へと列車に乗り込む。体は大きいが精神薄弱のレニーはジョージがいなくては何もできない。だが、レニーがトラブルを起こすたびに二人は、農場から農場へ渡り歩く日々を続けていた。二人の夢は、なんとかお金をためて小さくても自分達の農場をもつこと。次の仕事先の農場についた二人は、仲間達にも受け入れられなんとかうまくやれそうだった。農場主の息子カーリー(ケイシー・シーマスコ)にさえ関わらなければ・・・。



スタインベック原作のこの作品を

ゲイリー・シニーズが監督をしたと知って観ました


実は、これまでいろんな作品で見かけたゲイリー・シニーズが

存在感のある役者さんだな~と、けっこうお気に入りでして!

その彼が、スタインベック作品を??と興味津々!!

すごく静かな作品でした。



大恐慌時代のアメリカ

土地や財産を持っている人々以外はその日生きていくのもやっと・・

そんな中で小さい夢を持って、頑張る二人の若者

一人は頭も要領も良いジョージ、もう一人は精神薄弱のレニー

そこにもう一人の老人が加わって、やっと夢が叶う

もう少し・・・というところで、不幸な事故がおきてしまう



名優、迷優、怪優・・・いろんな評され方をするジョン・マルコビッチが

大男で力持ちの働き者だが、精神薄弱のレニーを好演!

いつものアクの強さは抑えられていて

無垢な男を演じていました


監督を務めたゲイリー・シニーズは

そんなレニーを守りながら

自分達の夢を実現させようと頑張っている

頭の切れるいい男ジョージを・・これまた好演!!


この二人の物語は、決して時代によるものではないと思います

現代だって、きっとあるんです・・・

レニーのような障害者を理解しない人々

あれは事故・・・

でも、あの時レニーから目を離さなければ・・・

ジョージはきっとそう思ったに違いありません


牧場主の息子カーリーの妻は

愛のない結婚と独占欲の強い夫の束縛から解放されたい・・

少しくらい誰かと話をして気持ちを癒したい・・

きっとそう思っただけなんです

でも、まさかそれが悪い結果を生むなんて・・


そして、衝撃のラスト

「トラブルが起きたらここに隠れるんだ!」

そう言ったジョージの言葉を守って隠れていたレニー

ジョージは誰よりも早く彼を探したかった

ただ、一緒に逃げるためだと思った私には

とても衝撃的なジョージの判断


でも、その牧場で知り合った老人キャンディーが

長年大切にしていた犬を失ったときに

ずっと悔やんでいたことが

ここでジョージの決断を生んだのだとわかるけれど

そこから先のジョージの人生を考えると・・・


なんともやりきれない気持ちになりました


でも、最後までジョージのレニーを思う気持ちに

深く心が打たれた作品でもあります!