モンスター | 映画を観よう

映画を観よう

古くても、新しくても、映画はイイよね!

素敵な映画に出会えた時の気持ちを、誰かと共有したいな♪

モンスター
¥2,500
タワーレコード株式会社

アメリカ 2003

シャーリーズ・セロン、クリスティーナ・リッチ、ブルース・ダーン


監督:パティ・ジェンキンス



なぜ、愛を知ってしまったんだろう。

そのキャッチコピーが重く心に残ります

前々から観ようと思いつつ、なかなか観るタイミングがありませんでした

昨日、CATVで放映されていたので観ました


シャーリーズ・セロンがまさしく体当たりで演じているアイリーン

彼女の風貌や何キロ太ったとか・・

そんなことがやたらと話題になった作品で

実在する連続殺人犯の娼婦の話という

なんとも表面的で、浅い情報しか持っていませんでした


観終わってから、しばらくズシンと重い心で

立ち上がって何かをしようという気にもなれず

なんともやりきれないようなそんなモヤモヤした感じでいました



愛することにも、愛されることにも不器用なアイリーン

幼い頃から、どこかで少し間違えただけの世界は

やり直しが聞かず、いつしか道に立つ身となり

自分を守るためにした殺人が

今度は愛する人との生活を守るために変わって


一度はまっとうに生きようとした彼女は

セルビーを思うあまりに、這い上がれないところまで落ちてしまう

それでも、セルビーを信じているアイリーン


刑務所の中からかけた電話で

すべてを理解するアイリーンがセルビーに言うセリフ

「あなたは何もしていない、私一人でやったこと・・・」

そうまでしても彼女を守りたかったのかもしれない

彼女の愛がどうなのか。。。

本当に愛することができて幸せだったか・・・


いつもの私なら、そこまでできるアイリーンを幸せと思ったかもしれない

愛されなくても、誰かを心から愛することができた人生ならば・・と

でも、この作品を観た後に残ったのは

なんとも言いようのないせつなさだった・・・



最初から、違いすぎた二人が混ざることは無理だったのかもしれない

それでも、死のうと思っていたアイリーンは

「きれいな顔・・・」と言って優しく顔をなでるセルビーに

愛されたくて、これまでの自分を救ってほしかったのかもしれない


人が人を愛することは、簡単なことではない

お互いに大切にし、愛し愛される相手に出会えることも容易ではない


残念ながら、アイリーンにもセルビーにも共感できることはなく

どちらの立場で見ることもできなかった

自分は幸せでよかった~~~
なんて、手放しで喜んでいい作品じゃないけれど
せめて、最後の老人の言葉を聞いていたら
彼まで殺していなかったら・・・
彼女は自分自身が許せないと
だからセルビーに赦しを請い
自分を救ってほしいと言っていました
自分のしてきたことをちゃんと知っていたわけです
セルビーと彼女への愛を守りたい一身だったアイリーン
彼女の罪は、たとえ育った環境がどうであれ
極刑を免れるものではないけれど
彼女は死刑よりも、電話でセルビーと話した瞬間に
すでに人生が終わってしまったのかもしれません
やっぱり・・・切ない気持ちがのこった作品でした


~