『淵に立つ』で、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」
審査員賞を受賞した深田晃司監督の最新作『海を駆ける
(The Man from the Sea)』。
インドネシアXフランスと共同制作。
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<FCCJでの会見より>
深田監督は、2011年12月に 、インドネシア・スマトラ島のバン
ダ・アチェを初めて訪れ(津波に関する京都大学と地元の大学
とのシンポジウムの記録撮影のために)、この土地で映画が作れ
たら良いと思われたそうです。
インドネシアを舞台にした理由は、「インドネシアの方が私のスト
ーリーと相性が良いと思った」、「彼らが日本人より、精神的なもの、
超自然的なものを受け入れていると感じた」から。
その超自然的な存在、国籍を超えた存在なのが、ディーン・フジオ
カさんが演じるラウ(海)。
海からやってきて、正体不明で、言葉をほとんど話さず、不思議な
ことを自然にやってのける。魚が生き返ったり、病に伏せている人
が治ったりなど、一方、エクセントリックな存在でもある。
ディーン・フジオカさんが、『海に駆ける』に参加した理由は?
1) 深田監督のオリジナル脚本が創造性に富み、素晴らしかった
から。
2)インドネシアに住み、日頃あまり会えない家族に、子供に、父
親のことを誇りに思ってもらえる作品に出演したかったから。父と
して模範になれる作品だったから。
3)エンディングも、明白なメッセージがない、だから面白いと思っ
た。
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ディーン・フジオカさんは、深田監督から毎日、「ラウを演じるに
は姿勢が良すぎる、猫背でやってほしい」と演技指導されたこと
を告白。
解釈が観客に委ねられている『海を駆ける』。
鑑賞後、ラストをどうとらえたか、見た者同士、意見を交わしてほ
しい作品。
私自身も、周りの方に、「ラウは結局?」「貴子こさんはどうなった
の?」と伺い、自分の解釈以外に、いくつかの解釈ができること
に気付きました。
『海を駆ける』 ~深田晃司監督&脚本~
<キャスト>
太賀(インドネシア人3世 のタカシ役 )
鶴田真由(タカシの母・貴子)
阿部純子(貴子の姪)
*国籍、人種、文化の違いをモチーフに、日本人とインドネシア人
の淡い恋の物語も同時進行します。
心揺さぶる美しい物語、明日より公開!
☆fccj film committee
http://www.fccj.or.jp/events-calendar/film-screenings/movie-committee-blog/itemlist/?format=html