下村敦史 ヴィクトリアン・ホテル(実業之日本社・文庫) | 勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

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ヴィクトリアン・ホテル (実業之日本社文庫) [ 下村 敦史 ]

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古本で購入してあった2023年2月発行、下村敦史の「ヴィクトリアン・ホテル」を読了…2021年2月に単行本で出た作品の文庫化。100年の歴史に幕を閉じる老舗ホテル…その閉館前夜に縁のある客たちが集い、思いを馳せたり、トラブルに見舞われたりする。お忍びでやって来た有名女優、羽振りのいい業界人っぽい男、毎年行われる文学賞受賞式に参加した作家、訳ありな老夫婦、借金苦でつい盗みに走ってしまう男など…彼らが交わったり、すれ違ったりして物語は進んでいく。作中でもタイトルを引き合いに出していたが「グランド・ホテル」と「ローマの休日」を意識したような部分も無きにしも非ず。てっきり客室で殺人事件でも起きるのだとばかり思っていたんだけど…いっこうにその気配がなく、一応事件らしいものもあるけど、それこそけっこうショボイ犯罪。正直、ちょっと肩透かしな印象。加えて…女優と業界人っぽい男の絡みなんかも、ネタが古臭いのよ。それこそ…色々と現実の芸能界を騒がせているセクシャルな問題にも似た酷い話なんかも描かれるんだけど…作品としては妙な違和感。まぁ、その感覚があながちハズれてはなくてですね…クライマックスで、一応、ミステリーとしてのネタバラシなんかもあったりするんだけど、読みたかったのはそういうのじゃないんだよなぁって感じ。まぁ、古いタイプの人間なので…“ミステリー=殺人事件”じゃないと物足りなく感じてしまうのよね。一般人が女優を口説けるかもしれないというラブロマンス部分の設定も嫌いじゃないのだけど…肝心のストーリーがあまりロマンチックではなく盛り上がりに欠けた。結局は、最終的などんでん返しのための仕掛けばかりなので、登場人物のネタがみんな浅めだったよね…。


下村敦史 ヴィクトリアン・ホテル(実業之日本社・文庫)