![]() 呪殺島の殺人 (新潮文庫nex(ネックス)) [ 萩原 麻里 ] |
ブックオフの古本110円で入手…2020年5月発行、萩原麻里の「呪殺島の殺人」を読了。たぶん、初めて読む作家さんじゃないかな?呪術者として有名な一族の最後の末裔とされる人物が暮らす離島の屋敷で、主(前述の呪術者の末裔?)である女性作家が殺されたのを皮切りに、招かれていた人々が次々に殺される。最初の被害者である女性作家が殺された現場は、いわゆる“密室”…そこで一緒に倒れていた人物がまさかの記憶喪失に陥り、他の招待客から“犯人ではないか?”と疑われながら、記憶喪失者本人と知り合いの同行者と名乗る和装少女が探偵役となり事件の真相と、記憶探しに挑む。本文は記憶喪失者の視点で語られるのだが、序文では“記憶喪失者と同名の人物”が数か月後に“早逝する”と意味深な記述もある。第1章の冒頭で、既に事件は発生後であり、語り手も記憶喪失に陥っているなど…ミステリアスで、テンポもある出だしではあるが、力量がある作家だと、島へやってくる経緯や事件発生までの道のりなんかも雰囲気たっぷりに描けるんだろうなと、ちょっと物足りなさを感じる。いわゆる“嵐の山荘”パターンのミステリー…綾辻行人などの新本格派と呼ばれた頃の推理小説の雰囲気に近い印象もあるのだが、キャラ造形や、記憶喪失者視点の文体などはもう少し軽めで、なんとなく“ラノベ”的だなと。和装姿の少女が探偵役など…語り手とは“カップル”をにおわす幼馴染設定は、明らかに那須きのこの「空の境界」あたりの影響大だろって感じ。よりによって、記憶喪失まで真似てるが、一応そこは独自のアレンジとしてキャラを別けたのかな。“語り手が死ぬ”という序文の“煽り”も…本文を読み始めてすぐに、早々と“こういうオチかな?”と見抜ける。あと、肝心な真犯人も…第1の事件発覚時の各キャラの行動を覚えてると、他の事件で“違和感”を覚え…あくまで直感レベルではあったが、“コイツ怪しいな”と目星をつけられた。好きなタイプの作品で、こういう作品を描いたという心意気は買うんだけど…色々と惜しい。

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