富樫倫太郎 スカーフェイスⅢ ブラッドライン 警視庁特別捜査第三係・淵神律子(講談社・文庫) | 勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

何年か前に強制退会トラブルの時に、予備で登録したID。本家ブログの更新を再開しています⇒http://ameblo.jp/eigasuki/ ここでは読んだ本の忘備録を書くつもりです。書籍購入はブックオフ中心なので、新作は少ないかも?


過去にハードカバー単行本で読んでいた1作目の再読を含む、富樫倫太郎の“スカーフェイス”シリーズの文庫版を1~3作目まで続けて読んだ(2~3作目は文庫オリジナル)。現在はまだ続編が出ていないようなので、てっきりこの3作目で完結、1作目のラストで突然出てきた、謎の敵“オペレイター”の正体が判明するのかなと思いきや…本筋では、いっさい“オペレイター”については触れられず、エピローグ部分でようやく登場。もちろん今作も正体判明までは描かれず…シリーズが続くのは確定みたいだ。この3作目のメイン事件は…主人公の女刑事の同僚後輩の学生時代の友人が行方不明になり、なんと別件の女性行方不明の容疑者として警察に追われているという。友人の母親や婚約者に懇願され…後輩刑事と主人公が、正式に捜査を担当している別係とは異なる方向から、独自に捜査を始める。中盤の一つの部(第二部)が、まるまる犯人による、詳細な犯行描写に割かれているなど…過去2作とはかなり作品全体の構成も変わっている。特に、“デッドリミット”というタイトルどおり、デッドリミット型のリアルタイム進行形サスペンスだった前作とはテンポも大きく異なる作品であり、犯人や犯行内容の性質上、著者の別シリーズ、SROシリーズのシリアルキラー近藤房子ものにも近いような内容であった。行方不明事件の真相がわかってくるあたりは、けっこうハラハラしながら読み進めたが…主人公刑事たちが事件の核心に迫るあたりが、若干、雑な印象も受けた。今まで完璧に近かった犯人が急に凡ミスしたりと、ご都合主義が目立ってしまって残念。あとは、やっぱり…そろそろ“オペレイター”との因縁に決着がつくのだろうと思って、期待していただけに…また続くかよという思いも強く残った。富樫センセイ、新作待ってます。


富樫倫太郎 スカーフェイスⅢ ブラッドライン 警視庁特別捜査第三係・淵神律子(講談社・文庫)