綾見洋介 小さいそれがいるところ 根室本線・狩勝の事件録(宝島社・文庫) | 勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

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何年か前に強制退会トラブルの時に、予備で登録したID。本家ブログの更新を再開しています⇒http://ameblo.jp/eigasuki/ ここでは読んだ本の忘備録を書くつもりです。書籍購入はブックオフ中心なので、新作は少ないかも?


はじめて読む作家さん…本作がデビュー作とのこと。2017年度“このミステリーがすごい!大賞”の隠し玉(受賞に及ばなかったが、将来性を感じた作品)だそうだ。前は“このミス大賞”関連の作品って、イマイチのもの、自分の趣味に合わないものも多かったんだけど…ここ最近はようやく質があがってきたのか、ちょっと前に読んだ、同じく“このミス・隠し玉”志駕晃の「スマホを落としただけなのに」なんかも、けっこう面白かった。と、いうことで本書の内容と感想を…。亡き母の遺言で、北海道の秘境を訪れ、母に縁のある人物を探す大学生と、もう1人、40手前だろうと推測できる秘境めぐりが趣味な鉄道マニアの男が出てきて…それぞれの視点を交互に描きながら、2人がその土地に伝わる“裏金(作中の言葉を借りるなら…徳川埋蔵金的な)”探しと老婆失踪、その後に起きる殺人事件などに巻き込まれていく。鉄道マニアたちが、“ハンドルネームで呼び合う”というあたりにひっかかりを覚え、感覚的に“怪しい人物”を絞り込めるのだが…かなり早い段階で出てきた“犯人を確定する伏線”をおもいっきりスルーしてしまい、後になって“なるほど”と思った。きっとしっかりと読み込んだミステリ好きの人なら、すぐに犯人を指摘できるだろう。まぁ、直感はハズれてなかったので、作者との対決は五分五分だと強がっておく(笑)登場人物と同化して旅をしているような感覚になる情緒的な出だしから、一気にサスペンス度が増す後半。寂れた田舎を旅してるうちに、如何わしい事件に巻き込まれていくという展開に、なんとなく“ファミコン時代のアドベンチャーゲーム”みたいな雰囲気も味わえ、なんだか懐かしい感じがした。ちょうど4月末のGW直前から物語がスタートするので、今読むと色々なものがイメージしやすかったけど、どうせだったら、もう2、3週間早めに読んでれば、もっとタイムリーで、より気分が盛り上がったかもしれない。もし、これから読むもうと思ってる方がいたら、ぜひ“来年のGW”にでもいかがでしょうか?始まったばかりの頃…独身中年のテツ(鉄道マニア)が彼女相手に“性欲処理”した直後、隣に寝ている女よりも“鉄道に思いを馳せて”興奮する描写がなんだか秀逸でしたね。もう1人の主人公である、大学生と比較すると、一見、軽薄で身勝手な男(最近、マナーが悪いテツは多いからね)に見えるんだけど…最後まで読むとだいぶ印象が変わって面白かったですね。1984年生まれのまだまだ若い作家さんだったけど…文章も“こなれていて”よく描けてました。“根室本線・狩勝の事件録”というサブタイトルが、安っぽい“トラベルミステリー”みたいだけど、もうちょっとしっかりした読み物でしたね。意外と、表紙のイラストなんかも好みでした。


綾見洋介 小さいそれがいるところ 根室本線・狩勝の事件録(宝島社・文庫)