映像化されたものは、少しかじったことがある荻原規子の小説を初めて読んでみる…ファンタジーっぽい作品を書いている作家という認識があったのだが、あらすじなどを読むと、現実的な、青春ミステリーらしかったので手に取ってみた。あとは、文庫の発行日が2016年4月と新し目だったのも理由の一つに挙げられる。ちなみに作品自体は2002年に単行本で発刊されたもので、文庫化に際し加筆修正、その後を描いた短編を加えた内容となってるそうだ。高2の女子高生が主人公…生徒が自主的に行う行事が盛んな高校の“生徒会”に関わったことから、色々な事件に遭遇する。作中の学校名は架空、学校制度なんかも現代のものとはだいぶ異なるのだが…モデルになっているのは著者の母校である立川高校であることは一目瞭然、著者本人もその旨をあとがきで触れていた。その昔、学校の出入り業者で働いていた時期があり…立川高校へも納品で何度か行ったことがあるのだが、著名人をたくさん輩出しているとか、都内ではわりと伝統のある学校だとか…そういった背景はまったく知らなかったよ。漠然と建物(校舎)のイメージなどを思い浮かべ、思い出しつつ…学校行事や友人関係に奔走する主人公たち高校生の姿には、なんとなく自分の学生時代などを重ねたくなった。この作品では、共学なのに女子の生徒数が少なく、そのあたりの葛藤などもテーマの一つになっているんだけど、自分が通っていた高校はその逆で、共学なのに男子が極端に少ないという環境でして…教師や周りの生徒たちから“腫物に触られる”ような感覚にちょっと共感できたりもした。作中、伝統的な行事を絶やしてはいけないという焦燥感に駆られたりする部分は、唯一の“男子の拠り所”だったとある部活を絶対につぶすなよと、先輩に口を酸っぱくして言われ、それをなんとか守り切った達成感と妙にダブったよ。ちなみに、周りが女子ばかりだと…他校の生徒から“ハーレム”扱いもされ(今だったら、エロゲー、ギャルゲー設定だよ)よく羨ましがられたりもしたが、実際はけっこうキツいよ。“上が女ばかりの一番下の弟”の人なんかは理解できると思うけど…女子からあまり男扱いされず、わりと容姿の整ったいわゆる“美少女”でも、ガサツに男の前で着替えとか始めちゃったり(笑)聞きたくない下ネタトークとかも耳に入ってきちゃうし…そういうところに3年間いるとね、男子が抱く“女子高生の神秘性”も見事に砕け散る。そんなことも思い出しながら…この作品を読んでました。購買部のパンに異物を混入されたり、脅迫状が届いたり、学校行事の妨害工作が頻発するなど、ミステリーっぽい展開もあったけれども、ズバっと謎を解決して爽快なラストが待っているという話でもなく、そこは色々と高校生なりの“しこり”が残るようなお話でしたね。著者の書き下ろしだという短編も、初めてこの作品に触れる身としては…もとからそこにあった“エピローグ”のような印象を受けた。作中キャラが演劇論を熱く語り合ったり、自分には小難しく感じたところもあったけど、退屈せずに最後まで読み切れた。