ピエール・ルメートル 傷だらけのカミーユ(文藝春秋・文庫) | 勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

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何年か前に強制退会トラブルの時に、予備で登録したID。本家ブログの更新を再開しています⇒http://ameblo.jp/eigasuki/ ここでは読んだ本の忘備録を書くつもりです。書籍購入はブックオフ中心なので、新作は少ないかも?

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本家の映画ブログの方でも触れたんだけど…身内の不幸とは母親の再入院(といっても、簡単な手術で1泊2日の予定)が重なりまして、ここ数日あたりはバタバタしちゃいました。葬儀場の手配に手間取り、身内の告別式は土曜日になるそうだ。そして今日の午前中から母親の入院、手術に付き添い、自宅に戻って来たのはつい先ほど。明日は退院の手続き、付き添いがあるので再び病院へ。中一日で病み上がりの母親を一人で葬儀に送りだすわけにもいかず(電車で片道2時間)…こちらも自分が付き添う予定。

さて、今…ちょうど読んでいた本は、「その女アレックス」から順調に追いかけてきたピエール・ルメートルの文春文庫4冊目、カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズの通算3作目にして完結編でもある「傷だらけのカミーユ」。前作、前々作ほど高順位ではなかったものの…2016年末発表、このミス2017年版・海外部門でもベスト10内をキープしているという安定感。普段あまり海外ものを読まない自分でも、手を出したくなる作家、シリーズになった。冒頭から、主人公カミーユ警部の新恋人(嫁さんは前の作品で殺されている)が強盗と鉢合わせして瀕死に陥るという緊迫展開…読み始めて直ぐに、そういった記述が出てきて、実際にその場面も描かれるのだが…時間軸がいったりきたりして、なかなか“生死”が判明せずやきもきさせられる。普段は殺人事件などが専門の警部だけど…自分の彼女が襲われたってことで、同僚や上司を騙くらかし、畑違いの強盗捜査に乗り出すんだけど、その判断が追々、自分のクビを絞める結果となる。強盗犯は一緒に逃走した仲間をあっけなくブチ殺し…現場付近に舞い戻ってくる。そして、何故か警部の彼女を執拗に狙い始める。いったい目的は何なのか?最初は、単に“事件に巻き込まれた”だけに見えた彼女の存在が、俄然…怪しくなっていく。そこは前2作でも、作中全体に仕掛けが施してあった著者ですから、何かあるに違いないと予想は出来る。ただ、その何かはまだわからない。思いのほか過去作品…特にシリーズ1作目(日本発表順では2番目)の「悲しみのイレーヌ」に寄り添う内容で、思いもよらなかった人物が真犯人として急浮上。いつになくチビ警部カミーユがハードボイルドしていたのも印象的。アクロバティックなストーリー展開を楽しむのと同時に、カミーユのグダグダっぷりを楽しむのがシリーズものとして醍醐味だろう。つーか、シリーズレギュラー、ドケチ同僚のアルマンがいきなり●●●るのが一番の驚きだ。その事実が判明するくだりを、読み間違えじゃないかと、何度も読み返してしまった。