ソフィーの選択(1982年) | 勝手に映画紹介!?

ソフィーの選択(1982年)

ソフィーの選択 [DVD]

 

WOWOWのメリル・ストリープ特集でエアチェックした「ソフィーの選択」を鑑賞…特に初放送でもない旧作、過去にも放送されていると思うけど、今までは見る機会がなかった。あらすじ程度は見聞きしたことがあって、どんな映画かは知ってるつもりだったけど…監督がアラン・J・パクラだったというのは見逃してた。サスペンス色強めのパクラ作品はけっこう好きで、印象に残ってるものもあるんだけど…それらとは若干、毛色も違いそうだ。共演は「ワンダとダイヤと優しい奴ら」のケヴィン・クライン、近年は海外ドラマで目にすることが多いピーター・マクニコル。

 

1947年、作家志望の青年スティンゴは…南部からニューヨークへやって来た。到着早々、同じ下宿先の階上に住むカップル、ネイサンとソフィーが言い争いをしている場面を目撃。その後、1人で詫びと挨拶にやって来たソフィーと会話、話の流れで彼女が強制収容所に入れられていたポーランド人であること悟る。ソフィーの魅力に惹かれるスティンゴだったが、その後、ネイサンとソフィーは仲直りしたようだ。翌日、今度はネイサンが部屋にやって来てピクニックへ誘う…。終日2人と一緒に過ごし、人柄に惹かれスティンゴは…どんどん親しくなっていくが…。

 

田舎から都会にやって来た作家志望の若者ピーター・マクニコルが…同じ下宿先に住んでいるカップル、メリル・ストリープとケヴィン・クラインと出会う。ケヴィン・クラインがどことなく情緒不安定なところがあり、人目もはばからずカノジョのメリル・ストリープとイチャイチャしてると思ったら、ちょっとした拍子に態度を急変させ、DVスレスレでやたら詰ったりもする。しょっちゅう喧嘩をしてるんだけど…周囲、特にピーター・マクニコルが心配して、親身になってメリル・ストリープをかばう、慰めていると、いつの間にかお互いに仲直りしてくっついている、その繰り返し。

 

ピーター・マクニコルは明らかにメリル・ストリープに好意を抱いてるんだけど…2人の間を強引に引き裂いて、奪うような度胸なんてない。だから、カレシもひっくるめて、自分は2人の大親友なんだって無理やり納得し、そのポジションに甘んじてるのよ。それだけで適度に幸せな気分に浸れて、楽しいから、まぁ、いいかと…でも、カレシのケヴィン・クラインが情緒不安定になると、そんなピーター・マクニコルとメリル・ストリープの仲を勘繰り始める。実際に、けっこう際どいところまでいくんだけど…メリル・ストリープがそこはしっかりカレシLOVEで踏みとどまる。

 

そんなモヤモヤする三角関係を縦軸に…実は、かなり数奇な運命をたどって、今に至っていたメリル・ストリープの過去なんかも紐解かれていく。本命カレシのケヴィン・クラインや、お友達ポジのピーター・マクニコルを受け止める包容力、その懐のデカさはいったいどこからきてるのか?特に何も秘密とかじゃなくて(映画の物語的にはある程度は秘密なんだけど)公式的な作品解説やあらすじでも触れられてることなので書いちゃうけど…メリル・ストリープの過去が所謂“ホロコーストもの”になってまして、「シンドラーのリスト」みたいな収容所の話が絡んでくる。

 

一方…カレシのケヴィン・クラインの情緒不安定、挙動のおかしさにも秘密、理由がありましたよ…という感じですね。あの両方を受け止めなきゃいけないピーター・マクニコルも、とにかく大変だよ…“ただのお友達”なのにな。ある時、ケヴィン・クラインが親友のよしみで…ピーター・マクニコルに“ヤリマンビッチな女”を紹介、これでヤリまくりのセフレGETじゃんと大喜びするんだけど…それがまさかのぬか喜びに終わるという、顛末に大爆笑。しかし、やり場のなさに戸惑うピーター・マクニコルの気持ちにも共感…まるで自分のことのように、男として切なくなったな。

 

だから、そんな気分の時に、大事なお友達よって接してくれるメリル・ストリープが余計に魅力的、女神に見えちゃうんだよな。でも、ちょっと待って…映画のタイトルが「ソフィーの選択」ってことはですよ、ワンチャン、ピーター・マクニクルにも可能性がなくおないんじゃないか?と、メタ的考察もしたくなる。セフレGET失敗の惨めさに共感してしまったように…実はオイラも、長い人生のほとんどで…“このお友達ポジ”ばかりだったんだよなと。なんだかんだで“思い出作りできてだけよかったじゃねーか”と劇中人物に嫉妬してたら、あの結末、さすがに相当へこむな。

 

今ではすっかり、貫禄オバサンの代名詞みたいになっているメリル・ストリープだったが…この頃はまだ若くて、可愛らしさもあった。ただ、好意を寄せているピーター・マクニコルよりは年上で、“私は年増のオバサンよ”的な自虐をとばすことも…一応、お互いに親友って言ってたけど、内心じゃ弟みたいな扱いだったかもしれんな(笑)アラン・J・パクラ監督の他のサスペンス的な作品とは、やはり毛色が少し違ったが…登場人物たちに隠された秘密が明かされていく展開や、3人の関係がどこに向かうのかは、なかなかサスペンスフルで2時間30の長尺も飽きない。
 

 

監督:アラン・J・パクラ

出演:メリル・ストリープ ケヴィン・クライン ピーター・マクニコル リタ・カリン スティーヴン・D・ニューマン

 

 

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